日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)の国外逃亡をめぐっては、妻との接触を制限した保釈条件に対する批判の声が各国に広まりつつある。被告の記者会見で批判がさらに高まることへの懸念を抱いた検察当局は、妻の逮捕状取得を公表するという異例の措置を取り、日本の司法制度への理解を求めている。
レバノンに逃亡したゴーン被告は「不正な日本の司法制度の人質にはならない」とする声明を発表。弁護団の高野隆弁護士はブログで「妻との接触禁止という国際人権規約に違反する保釈条件が解除されないことに(被告が)絶望を感じていた」などと、逃亡に一定の理解を示すような見解を公表した。
ゴーン被告に同情的な見方は海外メディアを中心に受け入れられ、日本の司法制度の「非人道性」を指摘し、被告を擁護する記事も報じられている。
被告本人がメディアで「一方的な批判」を繰り返せば、日本司法への偏見はさらに進む―。ある検察幹部は起こり得る事態への懸念を隠さず、「妻は証拠隠滅を図った事件関係者。単なる家族とは異なることを世界に示す必要性があった」と逮捕状取得を公表した理由を説明する。
別の幹部は、被告の主張に沿うような報道に「かなり誤解が生じている。強く是正する必要がある」と反発。「証拠隠滅に関与し、偽証もしたから接触を制限されたことを多くの人に分かってほしい」と語った。