大阪市教育委員会が小規模化が進む市立小学校の統廃合を促進するため、条例で学校の適正配置を明文化する方針を固めた。市教委や文部科学省によると、条例で定めるのは全国初とみられ、統廃合を急ぐ狙いがある。15日の総合教育会議を経て2月開会の市議会に市立学校活性化条例の改正案として提案、4月施行を目指す。
文科省は「子どもたちが多様な考えに触れ切磋琢磨(せっさたくま)するには、一定の集団規模の確保が必要」として、公立小中学校の標準的な規模を12~18学級と規定。一方で「地域事情を考慮して判断すべきだ」と自治体に最終判断を委ねている。
大阪市では、2010年に専門家らによる適正配置審議会が市立小の適正規模を12~24学級と答申。14年の指針では、11学級以下は統廃合の対象とし、地域やPTAの代表でつくる統合協議会を通じた合意手続きを例示した。19年度は、市立小289校のうち84校が11学級以下の適正化対象校、うち33校が全学年で各1学級しかなく、適正規模化が課題となっている。
しかし、指針に基づく統廃合では、自治会が小学校区単位で組織されている事情もあり、合意形成に時間がかかり少子化の速度に追いつかず、適正化は年1・5校程度。市議会内では、統一的なルール作りを求める声も上がっていた。
条例に追加する文案は検討中だが、市教委は学校の適正配置に努めるとし、対象校の再編整備計画の作成や公表も求める。条例化で事実上義務づけ、指針よりも強力に統廃合を推進する考えだ。
担当者は「適正化で教員も集約され、団塊世代の大量退職後に増えた若手がベテランから学ぶ機会が増え、指導力向上にもつながる」と説明。大阪市の場合、中心部と周辺部で都市化の度合いの差が小さく、統合後の通学距離も約2キロ以内に収まることも後押しした。
文科省の担当者は、条例化について「制定プロセスを含めて広く議論された結果、合意形成が進むのなら、一つの手段として意義がある」と話している。【林由紀子】