広島市南区に現存する最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ひふくししょう)」(4棟)の保全を望む市民団体が8日、県による解体方針に反対する署名を初めて街頭で募った。1000筆を集めた段階で県に提出する考え。
老朽化が進む旧被服支廠は震度6以上の地震で倒壊する恐れがあり、県は所有する3棟のうち2棟を解体し、1棟は外観のみ保存する方針を示した。再考を促すため、旧被服支廠の保全を願う懇談会の内藤達郎事務局長(78)ら8人が、中区の原爆ドーム前や元安橋で署名を呼びかけた。
長野県飯田市から旅行で訪れた嶋夏緒理(かおり)さん(32)は、初めて旧被服支廠について知ったといい「原爆投下を伝える証しであり、保存すべきと思った」と署名に応じた。自身も原爆に遭った内藤事務局長は、軍服や軍靴を製造した軍需工場でもあり「日本の加害責任も伝える負の遺産。資料館など、建物の空間を利用できる形で残すべきだ」と訴えた。
署名は継続して街頭で募るほか、郵送でも受け付ける。問い合わせは懇談会(082・928・0068)。【小山美砂】