「鳥小屋」復活2年目 「町の姿変わっても残したい」 福島・楢葉の正月送り行事

福島第1原発事故で中断した楢葉町の正月送り行事「鳥小屋」が復活2年目を迎えた。昨年再開した3地区に加え、今年は町北東部の下井出地区でも9年ぶりに開かれ、7日夕、竹で組んだ小屋に正月飾りなどを納め、無病息災の願いを込めて燃やした。同地区は津波の被害もあり、避難指示解除後に帰還した住民は半数に満たないが、20人あまりが炎を見つめながら甘酒や餅を手に話に花を咲かせた。
鳥小屋は害鳥から田畑を守る「鳥追い」と、「どんど焼き」が一緒になった行事とされ、いわき市周辺の太平洋岸地域で続く。楢葉でも原発事故前は10地区以上で行われていた。
下井出地区は行政区で再開を決め、年末に高さ約3メートルの円錐形の小屋を組み立てた。7日の日没後、内部に火を放つと、「バン、バン」と竹がはぜる音とともに赤い炎が真っすぐ上がり、一気に小屋を包み込んだ。
副区長の草野朋典さん(55)は「正月祝いの締めくくりに必要な行事。地域のコミュニケーションのきっかけにもなれば」と期待を込めた。会津やいわきへの避難を経験した農業短大生の渡部秋宣さん(19)も「炎の迫力に驚いた。新しい道もできて町の姿は変わったが、子どもの頃から楽しみだった自慢の行事なので大事にしたい」と話した。11日には下繁岡、大谷、北田地区でも開かれる。【乾達】