探査機「はやぶさ2」に与えられる新たなミッションは、再び別の小惑星を目指し、接近観測に挑む野心的なものになりそうだ。
本来の役目を果たした後に、大きな計画を追加できる見通しとなったのは、これまで任務が順調に進んできたためだ。運用チームは、試料を収めたカプセルを地球に送り届けた後の残り燃料を、イオンエンジン用が約半分、化学エンジン用が約4分の1と推定。地球や金星の重力を利用した軌道変更(スイングバイ)と組み合わせ、探査可能な天体が広がった。
運用チームの吉川真・ミッションマネジャーによると、候補となる小惑星には、はやぶさ2が観測した「りゅうぐう」より小さく、高速で自転する小惑星など未知の小天体も多いという。
吉川さんは「せっかく高価な探査機を打ち上げたのだから、より多くのデータを取りたい。探査機が長く機能するという技術的な実証にもなる」と意義を強調する。
一方で、「はやぶさ3」の具体的計画はなく、試料を持ち帰る探査も2024年度打ち上げ予定の火星衛星探査計画(MMX)までない。延長ミッションははやぶさ2で得られた経験を継承する貴重な機会にもなりそうだ。