島根立てこもり 容疑者供述「恨んでいる男に会いたかった」

島根県出雲市の運送会社「上田コールド」に刃物を持った男が立てこもった事件で、発生から約18時間後の15日午前8時25分ごろ、男は県警捜査員の説得に応じて人質の女性事務員(40)を解放。約10分後、県警は男を監禁容疑で現行犯逮捕した。「恨んでいる男(同社元従業員)に会いたかった」という趣旨の供述をしているといい、県警は一方的に恨みを募らせたとみて詳しい動機を調べる。女性にけがはなかった。
<事件の一報>出雲の運送会社に刃物の男立てこもり、従業員女性人質か
中尾容疑者は包丁(刃渡り約40センチ)とナイフ(同約12センチ)を持って、応接室と廊下を行き来し、説得にあたっていた捜査員に、元従業員の男性と話をさせるよう要求していたという。ただ、同社との間で業務上の関係は確認されておらず、人質の女性とも面識はなかった。
現場は、田んぼや住宅が点在する地域。捜査車両などが多数集まり、夜通し緊迫した雰囲気に包まれた。
民間信用調査会社などによると、同社は1973年創業で、生鮮品の冷蔵・冷凍輸送に特化した運送会社。出雲市や鳥取市に物流センターもあり、従業員は約170人。【鈴木周、柴崎達矢、榊原愛実】