愛知県の東名高速道路で乗用車がワゴン車にあおられてエアガンを発射された事件で、県警に器物損壊容疑で14日逮捕された自称兵庫県尼崎市、無職、佐藤竜彦容疑者(40)が、摘発を逃れるためにワゴン車のナンバープレートを別の数字にすり替えるなど細工を繰り返していたとみられることが捜査関係者への取材で判明した。
逮捕容疑は8日午前6時55分から約10分間、日進ジャンクション(愛知県日進市)―東名三好インターチェンジ(同県みよし市)間の追い越し車線で、名古屋市の男性会社員(23)の車にエアガンを発射し、男性の車の後部4カ所を傷つけたとしている。
捜査関係者によると、ワゴン車は7月に神奈川県内で盗まれたもので、ナンバープレートは車検切れの別の車の横浜ナンバーに付け替えられていた。車内からはエアガン1丁やプラスチック弾のほか、複数のナンバープレートやマグネット式の数字のパーツなどが見つかった。
愛知の事件があった8日午前6時55分ごろと、同8時20分ごろに岐阜県内で燃料切れのため停車しているのを発見された際のナンバーは異なっていた。愛知県警は、佐藤容疑者がエアガンの発射や盗難車の発覚を逃れるため、プレートに張り付けた数字のパーツをはがし、別のナンバーにすり替える細工をした可能性が高いとみている。
また、神戸市や京都市内でも7~8月、似たワゴン車から通行人や車がエアガンのようなもので撃たれる被害が計4件発生。京都の件は横浜ナンバーだったことが確認されており、愛知県警は関連を調べている。
佐藤容疑者は岐阜県内でワゴン車を乗り捨てて逃走を続けていたが、14日未明に友人に付き添われて兵庫県警尼崎東署に出頭した。愛知県警の調べに「パッシングをし、クラクションを鳴らしても前の車がどいてくれず、腹が立ってエアガンで撃った」と容疑を認めているという。県警は15日、佐藤容疑者を器物損壊容疑に加え、車を損傷させる恐れのあるものを発射したとして道交法違反(禁止行為)容疑で名古屋地検に送検する。【高井瞳】