河井案里参院議員の陣営が2019年参院選で車上運動員に公職選挙法の上限を超える日当を支払ったとされる事件で、案里氏が広島県議時代に同じ会派だった自民系の渡辺典子県議(35)が20日、県庁で記者会見し、広島地検に自宅を捜索され、任意の聴取を受けたことを明らかにした。
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地検が案里氏の事務所を捜索した翌日の16日に、自宅の捜索を受けて携帯電話やパソコンを押収され、18日に任意の聴取に応じた。夫も19年12月から4回聴取されたという。
渡辺氏は「私も夫も公選法に違反することはしていない」と説明し「案里氏を信頼していたが、裏切られた。夫妻が平気な顔をして国会に出ていることが許せない」と述べた。【池田一生】
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自民党の河井克行前法相の妻で同党の案里参院議員が初当選した2019年の参院選を巡る公職選挙法違反事件について、20日記者会見した渡辺典子県議(35)=広志会、安佐北区選出=は「裏切られた」と語気を強めた。発言要旨は次の通り。
――なぜ会見を?
渡辺氏 私の自宅が家宅捜索を受け、広島地検で取り調べを受けた。なぜ捜査対象になっているかというと、案里さんから依頼があり、問題となっている車上運動員の一部は私のルートで紹介した。どのようにお金を支払うように決めたかなど経緯は知らない。
――紹介の経緯は?
渡辺氏 2019年4月の統一地方選が終わってすぐ、電話で依頼があった。私の選挙を手伝ってくれている女性1人を夫が紹介した。その女性が何人か集めたと聞いている。私も夫も違法なことは一切していない。
――河井夫妻への思いは?
渡辺氏 出処進退を含め、早く説明してほしい。2人の背中を見て政治活動をしてきた。信頼していたが、裏切られた気持ちだ。