阪神大震災から25年 「災害弱者」守る男性の人生追う MBS「映像’20」で26日深夜放送

死者6434人、負傷者4万3792人という甚大な被害をもたらした阪神大震災から17日で25年が過ぎた。孤立を深める高齢者や震災で障害を負った人など、「災害弱者」を守ることに人生をささげた神戸市の男性を追ったドキュメンタリー番組「映像’20 あなたを忘れていない~被災者と歩んだ25年~」が1月26日深夜(27日午前)1時5分から、毎日放送(MBS、大阪市)で放送される。
神戸市に住む牧秀一さん(69)は震災直後から地元の避難所でボランティアを始めた。避難所が閉鎖された後も仮設住宅、そして復興住宅に住む高齢者らを訪ねる活動を続けてきた。
震災から11年目の冬、震災により障害を負った男性と出会った牧さん。「命が助かってよかったと言われ、突然障害を負った苦しみを誰にも訴えられない」など震災障害者の苦悩を知り、「こういう人の存在を皆が知れば、支援が必要だと思う人たちもきっといる。それを信じているんです」と語る。
2010年にNPO法人「よろず相談室」を設立し、神戸だけでなく東日本大震災や広島土砂災害など全国の被災者を訪ね歩いてきた牧さんだが、年齢的なこともあり、3月で活動から身を引くことを決めている。
番組では牧さんの最後の活動を追いつつ、国による「震災障害者」の実態把握が進んでいない点や「災害障害見舞金」の要件の厳しさなど、さまざまな問題も明らかにする。
取材を担当した和田浩ディレクターは「震災の記憶が風化していく中で、忘れられながらも生きている人がいる」と話す。牧さんの活動は本来、社会全体で考えるべき問題だと感じたといい、「これからも災害は増えていくだろうし、それによって孤独に陥る高齢者や障害を負う人も増えていく。今後のことを考えるきっかけに番組がなればいいと思う」と話した。

「映像’20」は2週連続で阪神大震災を取り上げる。2月2日深夜(3日午前)1時20分から放送の「映像’20 母を探して~行方不明者家族の25年~」では、震災で行方不明になったままの母(当時65歳)を今も探し続ける兵庫県加古川市の佐藤悦子さん(56)を取材。「自分は遺族なのか、不明者家族なのか」と自問自答する佐藤さんの姿を通し、公の支援から置き去りにされてきた行方不明者やその家族に焦点を当てる。【倉田陶子】