工藤会系組幹部に懲役26年 看護師刺傷など4件に関与 野村被告の指揮命令認定 福岡地裁

暴力団組員の立ち入りを禁じる標章を掲げた飲食店経営者の襲撃や看護師刺傷など4事件に関与したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われた特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)系組幹部、坂口鉄二被告(51)に対し、福岡地裁(足立勉裁判長)は27日、懲役26年(求刑・懲役30年)を言い渡した。
2013年1月に福岡市博多区で起きた看護師刺傷事件について、判決は工藤会トップの野村悟被告(73)=同罪などで公判中=の指揮命令を認定。坂口被告は看護師を尾行し帰宅経路や自宅を突き止めるなどしたとし、「犯行遂行の重要な役割を担った」と指摘した。
また、12年9月に北九州市で「暴力団員立入禁止」の標章を掲げた飲食店経営の女性らを刃物で切りつけた実行犯が坂口被告だったと認定。同市で標章を張った飲食店が入るビルのエレベーター放火や飲食店男性刺傷事件にも関与したとし、「標章制度など暴力団追放運動に対抗し、(被告が所属する)田中組の威力を誇示する意図から敢行されたと推察される」と非難した。