相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、利用者ら45人を殺傷したとして殺人罪などに問われた元同園職員の植松聖(さとし)被告(30)に対する横浜地裁(青沼潔裁判長)の裁判員裁判は27日、被告人質問があった。被告は事件前、大麻を使用していたとされ、弁護側の質問に対し、大麻を使い続ける中で浮かんだ一番の考えが「重度障害者を殺害した方がいいということだった」と述べた。
被告は16年2月に措置入院しており、これまでの公判で、実行を決めた時期について「やろうと思ったのは措置入院中」と答えていた。この日の公判ではその経緯を弁護側が質問した。「措置入院中に外との接触はなく、情報も得られなかったのではないか」と聞かれ、被告は「部屋を歩き回って自分が言っていることが正しいかどうか、考える時間があった」と語った。
被告人質問は午前中に弁護側から検察側に移った。園への侵入の経緯については、被告は「女性職員のいるホームを狙って入った」「女性職員なら鍵を奪いやすいと思った」と述べた。【中村紬葵、国本愛】