中国・武漢市からの帰国者のうち、発熱やせきなどの症状がない人の新型コロナウイルスへの感染が明らかになったことを受け、厚生労働省は30日午前に緊急で記者会見を開いた。
「ウイルスはあるが症状が出ないというのは新たな事態だ。症状のない人が、潜伏期間中にほかの人に感染させることも念頭に置いて、対応策をとらなければいけない」。同省の日下英司・結核感染症課長はそう危機感を示した。
同省によると、今回感染が確認された3人のうち2人は、機内検疫でも、帰国後の医師の診察でも、症状は確認されなかった。帰国後に滞在していた千葉県勝浦市の「勝浦ホテル三日月」では、それぞれ別の人と同じ部屋に宿泊していたが、同室だった人は、体調不良を訴えていないという。
機内の検疫で症状が確認されなかった帰国者の中には、検査を拒否して帰宅した人も2人いる。同省は今後、健康状態に変化がないか確認を続け、症状が出た場合には医療機関を受診するよう求めていくという。
会見に同席した専門家は「中国では無症状の人からの感染が確認されており、日本でも感染の可能性があると考えて対策を打った方がいい」と指摘。同じく会見に参加した国立感染症研究所の担当者は「無症状だった人たちがどのような経過をたどり、今後どうなるかは詳しく観察していく必要がある」と話した。
同じホテルに滞在したほかの帰国者は全員陰性だったが、今回、症状がない人の感染が明らかになったことを受け、同省は、帰国後の一時滞在施設での相部屋をやめる方針を明らかにした。