「イケメンで性犯罪防止」福岡県警のキャンペーンが波紋、なぜこうなったのか?

博多駅前で1月21日に福岡県警などが開いた「性犯罪防止キャンペーン」。性犯罪の被害にあわないように「防犯ブザーを持ち歩く」といった呼びかけに対し、ネットで「抑止にならない」、「加害者側の意識改革を」と指摘が相次いだ。 このキャンペーンを報じた九州朝日放送(1月21日)は、「イケメンで訴求 性犯罪防止」と題し、一日広報大使となった男性を「若い女性に訴えるためイケメン広報大使が登場」と紹介している。 福岡県警の担当者は今回のイベントについて、「イケメンと性犯罪をくっつける意図はありませんし、防犯アプリの普及のための手段の一つ」と説明。「男女を問わずアプリを入れてもらい、犯罪状況に目を向けてほしいという思いでした」と話した。 女性や子どもが防犯対策することで、減らせる性犯罪被害も少なからずあるだろう。一方で、防犯意識を高める啓発だけでいいのだろうか。 ●現在の啓発は? 福岡県は、強制性交等罪、強制わいせつ罪の認知件数(人口10万人当たり)が、2018年まで9年連続全国ワースト2位(2019年はワースト5位)。県警は「性犯罪の抑止」を三大重点目標にすえ、啓発に取り組んでいる。 今回おこなわれた「性犯罪防止キャンペーン」では、女性や子どもの防犯対策に焦点があてられた。福岡県警生活安全総務課によると、キャンペーンは、防犯アプリ「みまもっち」と県内主要駅での防犯ブザー貸し出しの普及を目的としたものだった。 「みまもっち」は、近くの犯罪情報を知らせ、防犯ブザーや110番通報機能などがついているアプリだ。 県警が2019年8月に実施した利用者アンケートでは、アプリを利用したことで回答者の75%が「事件が身近な場所で発生していることを知った」と答え、アプリにより「通知があると防犯を意識するようになった」、「明るい道を通るなど考えて行動している」と行動の変化を回答している(いずれも複数回答)。 2018年中に福岡県でおきた強制性交等罪、強制わいせつ罪の認知件数(警察に被害の届出がされた件数)は381件。場所は、屋外(道路上、公園、駐車場)での発生が37%ともっとも多く、ホテルや飲食店などその他が36%、住宅が26%と続く。時間帯は、21時~2時の夜間の被害が全体の45%だ。 県警HPで公開されている性犯罪抑止対策チラシでは、「自分は大丈夫と思っていませんか?」と呼びかけ、帰宅する際は「一人で歩くときは警戒モードに」、「明るくて人通りの多い道を歩く」、自宅では「一人暮らしを連想させない」、「玄関ドアを開ける瞬間が危ない」と具体的にポイントをあげている。
博多駅前で1月21日に福岡県警などが開いた「性犯罪防止キャンペーン」。性犯罪の被害にあわないように「防犯ブザーを持ち歩く」といった呼びかけに対し、ネットで「抑止にならない」、「加害者側の意識改革を」と指摘が相次いだ。
このキャンペーンを報じた九州朝日放送(1月21日)は、「イケメンで訴求 性犯罪防止」と題し、一日広報大使となった男性を「若い女性に訴えるためイケメン広報大使が登場」と紹介している。
福岡県警の担当者は今回のイベントについて、「イケメンと性犯罪をくっつける意図はありませんし、防犯アプリの普及のための手段の一つ」と説明。「男女を問わずアプリを入れてもらい、犯罪状況に目を向けてほしいという思いでした」と話した。
女性や子どもが防犯対策することで、減らせる性犯罪被害も少なからずあるだろう。一方で、防犯意識を高める啓発だけでいいのだろうか。
福岡県は、強制性交等罪、強制わいせつ罪の認知件数(人口10万人当たり)が、2018年まで9年連続全国ワースト2位(2019年はワースト5位)。県警は「性犯罪の抑止」を三大重点目標にすえ、啓発に取り組んでいる。
今回おこなわれた「性犯罪防止キャンペーン」では、女性や子どもの防犯対策に焦点があてられた。福岡県警生活安全総務課によると、キャンペーンは、防犯アプリ「みまもっち」と県内主要駅での防犯ブザー貸し出しの普及を目的としたものだった。

「みまもっち」は、近くの犯罪情報を知らせ、防犯ブザーや110番通報機能などがついているアプリだ。
県警が2019年8月に実施した利用者アンケートでは、アプリを利用したことで回答者の75%が「事件が身近な場所で発生していることを知った」と答え、アプリにより「通知があると防犯を意識するようになった」、「明るい道を通るなど考えて行動している」と行動の変化を回答している(いずれも複数回答)。
2018年中に福岡県でおきた強制性交等罪、強制わいせつ罪の認知件数(警察に被害の届出がされた件数)は381件。場所は、屋外(道路上、公園、駐車場)での発生が37%ともっとも多く、ホテルや飲食店などその他が36%、住宅が26%と続く。時間帯は、21時~2時の夜間の被害が全体の45%だ。

県警HPで公開されている性犯罪抑止対策チラシでは、「自分は大丈夫と思っていませんか?」と呼びかけ、帰宅する際は「一人で歩くときは警戒モードに」、「明るくて人通りの多い道を歩く」、自宅では「一人暮らしを連想させない」、「玄関ドアを開ける瞬間が危ない」と具体的にポイントをあげている。