抗争激化か――。「6代目山口組」のナンバー2、高山清司若頭(72)の自宅に銃弾3発が撃ち込まれた。三重県警は、現場近くにいた70代くらいの男を銃刀法違反容疑で逮捕した。逮捕された男は、6代目山口組と対立する「神戸山口組」の中核組織「山健組」の関係者を自称しているという。
発砲があったのは、2日午後1時半ごろ。三重県桑名市にある高山若頭の自宅に撃ち込まれた。自宅は当時、無人でケガ人はいなかった。
6代目山口組も、神戸山口組も「特定抗争指定暴力団」に指定され、問題を起こせば、すぐに強制捜査される。そのため東京オリンピックが終わるまでは、おとなしくしているとみられていた。ところが、ナンバー2の自宅が銃撃された。警察にも衝撃が走っている。
「高山若頭が不在ということは最初から分かっていたはずや。自宅に銃弾を撃ち込んだのは、『報復できるものなら、やってみろ』という6代目山口組に対する挑発ではないか。それともうひとつ、3年前、神戸山口組の井上邦雄組長の別宅が銃撃されたことに対する“返し”かもしれんな」(暴力団事情通)
逮捕された男は、「神戸山口組の井上組長の舎弟」「高山若頭に個人的な恨みがあった」という情報も流れている。
この先、襲撃された6代目山口組はどう動くのか。
暴力団問題に詳しいライターの山田英生氏がこう言う。
「高山若頭の出身母体である『弘道会』は士気が高いので、銃撃事件の背後関係によっては、高山若頭の意思と関係なく、報復に動く可能性があります。ヤクザとして名を上げるチャンスだと考える者がいても不思議ではありません」
それにしても驚くのは、銃撃犯が70代とみられることだ。昨年10月、山健組の組員2人を射殺した弘道会のヒットマンも68歳だった。一般社会よりも高齢化が進んでいる。
「もはや、ヒットマンは割に合わない仕事です。相手を殺せば無期懲役。発砲しただけでも懲役7~8年です。懲役を終えて表に出てきたとき、組が解散している恐れもある。だから、若手はやりたがらないのが実情です。高齢者がヒットマンを引き受けるのは『最後に一花咲かせたい』『ヤクザとして名前を残したい』という動機でしょう。ヒットマンになる代わりに、家族の世話を組に託すというケースもあるかもしれません」(山田英生氏)
弘道会が報復に動けば事態は一気に緊迫する。