永田町で菅義偉官房長官の辞任説が流れているという。公職選挙法違反容疑で検察の捜査を受けている河井案里・参院議員と、夫で菅氏の側近の河井克行・前法相への捜査をはじめとした、数々の官邸への逆風がその背景にある。そんななか、自民党内にも、菅氏の失脚を待ち望む政治家たちがいるという。菅氏の辞任説が流れるとにわかに元気になったのが岸田文雄・自民党政調会長だ。
岸田氏は昨年の参院選でお膝元の広島で岸田派重鎮議員の対立候補に河井案里氏を擁立されて敗北し、内閣改造では悲願の幹事長就任を阻止されるなど菅氏にことごとく煮え湯を飲まされてきた。
それが攻守一転、菅側近である河井夫妻、菅原一秀・前経産相が釈明会見を開くと、「説明は十分ではない」と真っ先に批判し、地元の広島でも、案里氏が議員辞職した場合の補欠選挙に備え、選挙準備を急いでいる。
「何事も慎重で動きが遅い岸田さんが、議事堂をスキップしそうな足取りで歩いている」(番記者)
“これで幹事長が近づいた”という心中がダダ漏れだという見方だ。これまで「ポスト安倍は菅官房長官。岸田はまだ早い」と言っていた“親分”の古賀誠・岸田派名誉会長が、菅氏に逆風が吹くや一転、「岸田の応援団になる」と秋波を送ってきたことも足取りを軽くしている理由だろう。
安倍首相の政敵、石破茂・元幹事長も意気軒昂になってきた。政権の不祥事対応を「国民に対する説明責任が恐ろしく欠けている」とラジオ番組で批判し、憲法改正に必要な国民投票法改正案をめぐっては、「金持ちの政党がばんばんCMを流せば勝っちゃう。金のある方が勝つ憲法改正はおかしい」と講演で野党の主張に同調してみせた。
「石破氏は菅さんが官房長官を辞任すれば、安倍政権は長くないと読んでいる。勝負のときが近づいていると張り切りだした」(石破派議員)
こちらは大乱を待っている。
※週刊ポスト2020年2月14日号