新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、静岡空港では中国便8路線のうち7路線が全便または一部で欠航となっている。中国便は同空港の国際線搭乗者数の6割超を占める主要路線。同空港は2019年4月に民営化され航路拡大を図ってきたが、欠航期間が長期にわたる可能性もあり、経済的損失は避けられそうにない。空港関係者は頭を抱えている。【古川幸奈】
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4日午後の静岡空港は閑散としていた。本来なら中国行き3便が離陸する時間帯だが、国際線カウンターに職員の姿はない。18年12月にフードコートなどが新設されたターミナルビルも旅行客はまばら。飲食店で働く従業員もマスクを着用していた。
空港関係者は「中国便が2、3便重なる時間帯は搭乗手続きに並ぶ中国人で埋め尽くされていたが、静かになってしまった。経済的な影響は出ると思うが仕方がない」と肩を落とす。
空港の管理会社や県には1月末、中国の航空会社から欠航の連絡が相次いだ。中国東方航空は杭州、南昌、連雲港の3路線を、別の2社も西安など2路線を3月下旬まで全便欠航にした。寧波線と煙台・北京線も2月は一部欠航。国際線で運航を継続するのは、上海、台北、ソウルの3路線だけになった。
静岡空港の18年度の搭乗者数は71万4239人で、09年の開港以来目標としていた年間70万人を初めて達成した。国際線は28万8788人が搭乗し、中国便は18万6409人と全体の4分の1を占める。
19年4月1日、滑走路やターミナルビルなどの運営権を「三菱地所・東急電鉄グループ」が県から取得。航路拡大と20年後の旅客数135万人を目標に掲げ、民営化がスタートした。欠航となった南昌、西安など5路線は19年7月~20年1月に新規就航したばかりだった。
ターミナルビル2階の土産物店で働く女性は1月下旬ごろから、中国人観光客に商品を薦めても「マスクを入れるためにスーツケースの服を捨てた」「土産よりマスクが大事」と断られたという。女性は「売り上げが大幅に減り、掃除ばかりしている。空港に人は来てほしいけど感染の恐れもあり複雑な気持ち」と話す。
静岡空港では入国する人の発熱をサーモグラフィーで確認し、感染疑いの入国者を見つけた場合は県内の感染症指定医療機関に搬送する対策を取っている。県空港振興課は「中国本土でも対策が進められている。感染拡大が解消され、収束するまで状況を見守るしかない」と話す。