富士山御殿場口新6合目付近で遭難者を救助したとして静岡県警御殿場署は4日、いずれも神奈川県の大学生川口達也さん(22)と萩谷(はぎや)将成(まさしげ)さん(21)に感謝状を贈った。
初日の出を見るため大みそかの夜から富士登山を始めた2人は、元日の午前4時50分ごろ、標高2820メートル付近で、ふらつきながら歩く男性を発見した。
当時、気温は零下20度前後。男性は寒さで体が硬直していたという。「近づくと、ストックも持たない軽装備でぞっとした。昨年、動画を配信しながら滑落した人のことが頭をよぎった」。川口さんは振り返る。
署によると、現場付近は富士登山で最も危険なエリアだという。署救助隊の渡辺浩行小隊長は「風が巻くことで、雪が飛ばされて斜度がきつくなり、地表がつるつるのスケートリンクのようになる」と話す。
2人は滑り落ちそうな男性と自分たちの体をロープで結び、170メートルほどを1時間かけて下り、署に通報した。2人は救助隊が到着するまでの5時間半の間、男性にダウンジャケットを着せるなど気遣い、励ました。
「救助のヘリが見えたときは、ほっとした」。2人は東京都内の山岳用品店でアルバイトする山仲間。救助のため、今回は登頂できなかったが、「今度は一緒に頂上まで登りたい」と笑顔を見せた。