表現の自由や美術のあり方、また電凸やテロ予告など、さまざまな問題を引き起こした国際芸術展「あいちトリエンナーレ2019」。 愛知県の検討委員会が昨年12月にまとめた最終報告では、芸術監督の津田大介さんに多くの責任が問われる形となった。 これに対し、津田さんは「事実と異なる」と反論。あいトリ閉幕後も公式の場で積極的に事実関係の説明に奔走してきた。 渦中で批判を浴び続けた津田さんは「過去最大の炎上」としながらも、「結果的に過去最大の問題提起になった」と語る。あいトリを振り返るとともに、今後の展開も聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香) ●「中間報告は事実と違った」 昨年9月の中間報告は、「芸術監督(津田さん)がキュレーターチームや事務局の懸念を振り切り、展示を強行した」とまで書いています。その後、最終報告書がまとめられましたがどのように受け止めていますか? まず中間報告の結論は「表現の不自由展・その後」を再開することだったんですが、そもそも僕も再開を目指していることは共有されてました。 率直に、ここまで悪者扱いされると再開に向けての膨大な実作業に支障が出てしまうと感じました。中間報告は、あまりに事実と違う、僕個人の責任が厳しく糾弾されているものでした。訂正は叶いませんでしたね。仕方なく、短いコメントを出すに留めました。 中間報告と最終報告に、結構ずさんな部分があることに気がついているメディアの人間もいますね。 たとえば最終報告の32ページにある「大浦氏の新作映像作品の情報も含まれていた」という部分。実は中間報告では「大浦氏の新作映像作品の情報はなかった」と真逆のことが書かれているんです。 つまり事実誤認に基づいて「津田が事務局や知事などに隠して進めた」というストーリーを中間報告時点では作りたかったんだなってことがわかっちゃうんです。 また、中間報告では「誤解を招く展示が混乱と被害をもたらした最大の原因は、無理があり、混乱が生じることを予見しながら展示を強行した芸術監督の行為にある。そしてその背景にはそれを許す組織体制上の数多くの欠陥があった」とつまりは「今回の騒動の最大の原因は津田大介である」と批判されました。 ここまで強く言い切っているにもかかわらず、最終報告ではしれっとその部分を削除して「全体の準備プロセスと組織体制」というふわっとした原因に変えている。そういう姑息な変更が細かく見ればたくさんあるので、いつか広く一般に知らしめたいなと思ってます。
表現の自由や美術のあり方、また電凸やテロ予告など、さまざまな問題を引き起こした国際芸術展「あいちトリエンナーレ2019」。 愛知県の検討委員会が昨年12月にまとめた最終報告では、芸術監督の津田大介さんに多くの責任が問われる形となった。
これに対し、津田さんは「事実と異なる」と反論。あいトリ閉幕後も公式の場で積極的に事実関係の説明に奔走してきた。
渦中で批判を浴び続けた津田さんは「過去最大の炎上」としながらも、「結果的に過去最大の問題提起になった」と語る。あいトリを振り返るとともに、今後の展開も聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
昨年9月の中間報告は、「芸術監督(津田さん)がキュレーターチームや事務局の懸念を振り切り、展示を強行した」とまで書いています。その後、最終報告書がまとめられましたがどのように受け止めていますか?
まず中間報告の結論は「表現の不自由展・その後」を再開することだったんですが、そもそも僕も再開を目指していることは共有されてました。
率直に、ここまで悪者扱いされると再開に向けての膨大な実作業に支障が出てしまうと感じました。中間報告は、あまりに事実と違う、僕個人の責任が厳しく糾弾されているものでした。訂正は叶いませんでしたね。仕方なく、短いコメントを出すに留めました。
中間報告と最終報告に、結構ずさんな部分があることに気がついているメディアの人間もいますね。
たとえば最終報告の32ページにある「大浦氏の新作映像作品の情報も含まれていた」という部分。実は中間報告では「大浦氏の新作映像作品の情報はなかった」と真逆のことが書かれているんです。
つまり事実誤認に基づいて「津田が事務局や知事などに隠して進めた」というストーリーを中間報告時点では作りたかったんだなってことがわかっちゃうんです。
また、中間報告では「誤解を招く展示が混乱と被害をもたらした最大の原因は、無理があり、混乱が生じることを予見しながら展示を強行した芸術監督の行為にある。そしてその背景にはそれを許す組織体制上の数多くの欠陥があった」とつまりは「今回の騒動の最大の原因は津田大介である」と批判されました。
ここまで強く言い切っているにもかかわらず、最終報告ではしれっとその部分を削除して「全体の準備プロセスと組織体制」というふわっとした原因に変えている。そういう姑息な変更が細かく見ればたくさんあるので、いつか広く一般に知らしめたいなと思ってます。