安倍晋三首相が、質問を終えて退席しようとする辻元清美議員(立憲民主党)に「意味のない質問だよ」と自席からやじを飛ばし、審議が一時紛糾した。その後の別議員が行った、辻元氏へのやじに関する質問に対し、安倍首相は発言を認めた上で、辻元氏の質疑に対し「罵詈(ばり)雑言の連続だった」「私に反論する機会を与えられず…」と理由を説明した。
安倍首相が反発を示した「(辻元氏質問の)最後のところ」は、どのような内容だったのか。本当に「意味のない質問」だったのか。やじの様子や安倍首相の「理由説明」とともに詳しく紹介する。
野党側反発で審議中断
2020年2月12日の衆院予算委員会で、辻元氏が約48分の質疑を終えて自席へ戻ろうとした際、安倍首相は「意味のない質問だよ」とやじを飛ばした(この場面は翌日の民放情報番組でも音声付きで報じられた)。辻元氏は、「誰が言ったの?『意味のない質問』だって、誰が言った?今、『意味のない質問だ』って言ったんですよ」と発言主の確認を求めた。野党側はやじに反発し、審議は12分間にわたり中断した。
辻元氏はこの直前(質疑の最後)、和泉洋人・首相補佐官と厚生労働省の大坪寛子審議官による海外出張時の「コネクティングルーム(内部で行き来ができる部屋)宿泊」問題などに触れ、「鯛(タイ)は頭から腐る」という言葉を引用しながら安倍首相の政治姿勢を批判した(詳細は後述)。
審議が再開して質問に立った逢坂誠二議員(立憲民主党)が、やじ発言の事実関係を安倍首相に確認したところ、首相はこう答えた。
安倍首相「罵詈雑言の連続だった」
と、「無意味」を4回も繰り返し、「意味のない質問」発言が自身のものであることを認めた。一方、逢坂氏は「辻元さんが言ったことは当たってると思いますよ」と反論した。
安倍首相が触れた「最後のところ」で、辻元氏は何と述べたのか。辻元氏は質問全体の後半では、和泉首相補佐官と厚労省の大坪審議官による海外出張時の「コネクティングルーム宿泊」問題(週刊文春が報じ、外務省が10日の衆院予算委で事実と認めた)などを取り上げ、公私混同させない姿勢を示すべきだ、と安倍首相に迫っていた(安倍首相や菅義偉官房長官は「公務」だったとの認識を示し、辻元氏の求めには応じず)。最後の質問に立った場面では、次のように指摘した。
辻元議員「上層部が腐敗していると、残りもすぐに腐っていく」
この後、安倍首相による先のやじ発言に続く。
国会では野党側が反発を強めており、翌13日に予定されていた衆院予算委は開かれなかった。与野党協議の末、週明けの17日に予算委で集中審議を行い、冒頭で安倍首相にやじ(不規則発言)に関連して発言を求めることで合意した。