自宅などで覚醒剤や大麻を所持し、覚醒剤を使用したとして、覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反に問われた元タレントの田代まさし被告(63)=本名・田代政(まさし)、茨城県鹿嶋市=は13日、仙台地裁(大川隆男裁判官)での初公判で起訴内容を認めた。イベント会場のトイレで覚醒剤を見つけ、「チャンスだと思った」などと入手の経緯を語り、薬物への甘い認識をうかがわせた。【藤田花、滝沢一誠】
田代被告は白いシャツに黒いジャケット姿、黒縁メガネをかけて入廷。職業を問われると、「タレントですが、ずっと活動はしていません」と答えた。
被告人質問で田代被告は、2019年1月に経済的な理由から所属していた薬物依存者の自立支援施設「日本ダルク」の職員を辞職したと説明。その後、反社会勢力と関係を持ち、覚醒剤を受け取るようになり、同年8月ごろから覚醒剤を使用するようになったと明かした。
逮捕時に所持していた覚醒剤について、同年10月にバイク愛好者のイベントに参加した際、仮設トイレで覚醒剤の入った注射器を見つけて自分のものにしたと説明し、「チャンスだと思ってしまった」と振り返った。
また、所持していた大麻は、ダルク職員として講演した際、参加者から手渡されたと説明。検察側から「捨てようと思わなかったのか」と問われると、「何かあったら使おうかなという気持ちがあった」と答えた。
現在は茨城県内の依存症回復施設で生活しているという田代被告。今後について「治療に終わりはないので、ずっと施設にいる」と話し、「(薬を)やめている期間は少しずつ延びている。今まで取り組んできたプログラムは間違いではなかった」とも強調した。
この日は田代被告の息子が初めて傍聴席に座り、裁判を見守った。田代被告は「(息子が)心を痛めてきたことは間違いない。父親を理解してくれて、立ち直ってほしいという気持ちで見に来ているのではないか」と感謝の思いを吐露した。
検察側は論告で「薬物の依存性は顕著。真摯(しんし)に反省しておらず、再犯の可能性が高い」として、懲役3年6月を求刑。一方、弁護側は「反省し、更生意欲もある。社会内で薬物依存からの治療プログラムを継続するチャンスを与え続けることが必要」と執行猶予付き判決を求めた。判決は3月4日に言い渡される。
相談窓口
全国精神保健福祉センター一覧
http://www.zmhwc.jp/centerlist.html
薬物依存症リハビリ施設「日本ダルク」
http://darc-ic.com/darc-list/
NPO法人全国薬物依存症者家族会連合会
http://www.yakkaren.com/