埼玉県は17日、同県小鹿野(おがの)町の養豚場で飼育されている豚を検査した結果、9頭で豚コレラの感染を確認したと発表した。同県内での感染確認は2例目。13日に感染が確認された秩父市の養豚場から約5・5キロ離れている。県は大野元裕知事を本部長とする緊急対策本部会議を開き、小鹿野町の養豚場で飼育されている全1118頭の殺処分を決めた。殺処分は18日までに終える見通し。
秩父市での豚コレラ感染を受けて県は半径10キロ以内を搬出制限区域に指定した。この区域内にあった小鹿野町の養豚場から発育不良の豚について鑑定を依頼されたため、立ち入り検査をしたところ、複数の豚に異常が見られたため採血して詳しく検査し、17日に陽性と判明した。農林水産省に報告し、疑似患畜と判定された。
県はこの養豚場から全ての動物の移動を制限し、養豚場との出入り口を1カ所に限定して消毒を実施している。また県こども動物自然公園(東松山市)でミニブタの展示を中止することも決めた。大野知事は対策本部会議で「2例目で終わらせるという強い意志で、あらゆる措置を講じる」と話した。【山越峰一郎、畠山嵩】