新型肺炎、抵抗力弱い子どもは油断禁物 インフルエンザや風邪などにも注意

新型コロナウイルスによる肺炎は、高齢者や基礎疾患のある人の重症化や高い死亡リスクに注目が集まるが、一般に抵抗力が弱い子どもにも注意が必要だ。インフルエンザも流行しており、予防の大切さを訴える一方、子どもが高齢者や持病のある人に広げることを懸念する専門家もいる。
中国疾病対策センターなどによると、中国では11日までの患者約4万4700人のうち19歳までの子どもは965人(2%)しかいない。発熱や乾いたせき、倦怠(けんたい)感などの症状が出るが、ほとんどは1、2週間で回復している。死亡例も9歳以下の子どもではおらず、10代も1人。別の種類のコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)でも、理由は分からないが、子どもは軽症が多かった。
だが毎年のように流行するインフルエンザでも、乳幼児にはうつさないよう保護者が予防に取り組んだり、幼児自身にしっかりと手洗いをさせたりしなければならない。乳幼児は抵抗力が弱いため、ひとたび感染すると重症化しかねないからだ。新型コロナウイルスでも同じ予防策が求められる。
感染症に詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師(小児科)は「子どもも油断できない。ただ、今の時期は熱が出たらインフルエンザや風邪など他の病気の可能性が高いので、早めにかかりつけの小児科医に相談してしっかり治療してほしい」と話している。【熊谷豪】
子どもの様子、周囲がよく観察を
「手洗いやうがいといった予防策を子どもに徹底できるだろうか」。0歳と3歳の男児を育てる東京都の女性会社員(32)は不安を口にする。長男を預ける保育園で、インフルエンザや胃腸炎などが急激に広がる状況を目の当たりにした。「おもちゃをなめることもあり、特に感染しやすい状況にあるのでは」と話した。
保育園や幼稚園、小学校では子ども同士の距離が近く、「濃厚接触」する場面が多い。近畿大の吉田耕一郎教授(感染症学)は、不特定多数の人が集まるイベントの中止が各地で相次いでいることを引き合いに「そうしたイベントを毎日開いているような環境だ」と指摘。大人と違い、感染防止策を徹底するのが難しいという問題もある。
小児ぜんそくなどの持病がある場合は重症化する可能性も。自治医大の田村大輔准教授(小児感染症学)は「子どもは自分でうまく症状を伝えられないことが多い」とし「呼吸が荒い、食欲がない、ぐったりしているといった普段と違う様子がないか、周囲がよく観察する必要がある」と注意を促す。
また、子どもが家庭などで、重症化しやすい高齢者らに感染を広げる恐れもある。田村准教授によると、子どもが家で休む場合は①マスクを着ける②家族と部屋を分ける③タオルを共有しない――といった点に気を付けることが重要だという。