17日午前11時30分頃、北海道大樹(たいき)町の大樹漁協所属のサンマ棒受け網漁船「第65慶栄丸」=29トン、乗組員8人、敬礼(けいれい)寿広船長(52)=が根室市納沙布岬の東方沖で音信を絶ったと、根室海上保安部に通報があった。
第1管区海上保安本部(小樽市)が捜索を始め、同船とみられる転覆した船を発見したが、乗組員は見つかっていない。
1管の発表などによると、17日午前、第65慶栄丸から仲間の漁船に「横波をくらった」と連絡があり、関係者が第65慶栄丸の位置情報を示す電波を受信できなくなった。海上保安庁の航空機が同日午後2時40分頃、同岬東方沖約610キロ・メートルの海上で転覆した船を発見。上空から約2時間、付近を捜索した。近くにいた複数の漁船も同日夕までに現場付近に着いて捜索した。
1管は海難対策本部を設置し、釧路海上保安部の巡視船「えりも」を現場に向かわせた。18日朝に到着する。夜間は海上自衛隊の航空機が捜索にあたる。
現場付近の17日午後の天候は曇りで、風速約10メートル、波高約4メートルとしけていた。
サンマ漁は近年、不漁が続き、特に近海は取れないため、公海に出向くケースが多い。第65慶栄丸が消息を絶ったのも、北太平洋の公海上だった。