日産自動車は2月25日、軽自動車の新型「ルークス」を発表した。3月19日に発売する。足元の広さや後席スライドドアの開口幅などを拡大し、室内空間の広さと使い勝手の良さでファミリー層に訴求。運転支援技術「プロパイロット」の機能も高めた。軽自動車の中でも競争が激しいスーパーハイトワゴン市場で存在感を示したい考えだ。
競争激化の市場に投入、新型ルークスの3つの強み
2019年3月に発売した軽ハイトワゴンの新型「デイズ」は、「RJCカーオブザイヤー」などを受賞。販売も好調に推移しているという。一方、軽スーパーハイトワゴンのセグメントでは、09年から「デイズルークス」を展開。累計で約61万2000台を販売したが、今回のモデルチェンジに伴って「ルークス」に名称を変えた。
スーパーハイトワゴンは軽自動車市場の5割以上を占める人気セグメント。ホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」といった競合がひしめく。
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、インターネット中継で開催した発表会で、開発責任者の齊藤雄之氏は、新型ルークスについて「ミニバンの使い勝手と軽の運転しやすさの両立を目指した」と話した。具体的には「プロパイロット」「後席のロングスライド」「ハンズフリーオートスライドドア」の3つが、競合にはない強みだという。
デイズで軽自動車に初搭載したプロパイロットには、今回新たに「ミリ波レーダー」を追加。これまでより遠くを走る先行車の動きを検知することができるようになり、早いタイミングでブレーキなどの操作を準備できる。また、夜間における歩行者の視認性も向上させた。
室内空間を広く、ファミリーの使い勝手向上
子どもを連れた家族を意識して、室内空間の広さや使い勝手にも工夫を凝らしている。従来モデルのデイズルークスと比べると、ホイールベースは65ミリ拡大、後席の足元空間は約80ミリ広げた。また、後席のシートをスライドできる長さは60ミリ拡大し、320ミリのスライドが可能になっている。
後席のスライドドアの開口幅は95ミリ広げて650ミリを確保した。また、ミニバン「セレナ」に搭載している「ハンズフリーオートスライドドア」を両側のドアに採用。片足を車体の下にかざすだけで、自動で開閉する仕組みだ。子どもを抱いてチャイルドシートに座らせる際も、手を使わずにドアを開けて、屈まずに作業できるという。
前席では、座面の高さを60ミリ高くすることで、ミニバンのような広い視界を確保。荷室は、リヤシートを一番前にした状態で、48リットルのスーツケースを4個積める広さになっている。
安全性能では、「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を軽自動車として初搭載。2台前を走行する車両の急な減速などを検知し、回避操作が必要だと判断した場合に、警報でドライバーに知らせる機能だ。ハイビームを維持した状態でも対向車を検知してライトを暗くする「アダプティブLEDヘッドライトシステム」なども搭載している。
また、新型デイズでも採用した「SOSコール」を上級グレードに標準搭載。緊急時に簡単に手動で通報できる。デイズに搭載したSOSコールによる警察や救急への連絡は、これまでに約30件あった。「この機能があってよかった」という声もあるという。
ボディーカラーは、ツートーンも含めて17種類のバリエーションを用意。希望小売価格(税込)は、標準グレードが141万5700円~168万800円、「ハイウェイスター」グレードが173万4700円~206万6900円。
齊藤氏は「技術の日産が、家族ユーザーのための広さや快適さ、安全性を考え抜いて開発した」と強調した。室内の広さや使い勝手を訴求する競合も多いが、独自の技術や機能でファミリー層の需要の取り込みを狙う。