那覇市の首里城で2019年10月、正殿などが焼失した火災で、内閣府沖縄総合事務局は26日、出火時の状況を撮影した監視カメラの映像を初めて報道各社に公開した。正殿から出火後、警備員らが初期消火に手間取る間に火が回り、正殿全体が激しい炎に包まれた状況が分かる。
約8分30秒の映像で、4台のカメラの記録が1画面に収められている。3台は正殿を外側の3方向からとらえたもので、1台は正殿内部の1階に設置されていた。
正殿内のカメラは19年10月31日午前2時半、真っ暗だった画面が一瞬小さく光る様子を捉え、この時間に何らかの異常が発生したとみられる。その7分後、このカメラは電源が落ちた。
午前2時34分、異常を知らせる人感センサーが発報。その後、正殿向かいの奉神門の詰め所にいた警備員や監視員が正殿と詰め所を行き来する。監視員は消火器を手に近づくが、初期消火はできず、午前2時46分には正殿の周囲に煙が立ち込める様子が分かる。
警備員が初めて消火器を噴射したのは異常発生から22分後の午前2時52分だったが、既に正殿正面は激しい炎が上がり、手に負えない状況。午前3時1分には正殿裏側の軒を火が伝い、延焼は広がる。午前3時5分になって、到着した消防隊員が放水を始めるが、正殿全体が火に包まれ、その後、カメラの電源が次々と落ち、映像は終わる。
映像は26日に那覇市であった、首里城再建への方策を有識者で議論する政府の「技術検討委員会」の作業部会でも放映された。委員長の高良倉吉・琉球大名誉教授は終了後の記者会見で「改めてスプリンクラーの設置、初期消火がいかに大事かということを感じた」と語った。【遠藤孝康】