見当違いな自画自賛、言い訳、告発者を悪者に……。新型コロナウイルス禍の中、自民党議員はどう発言しているか?

どんな仕打ちを受けても、多くの人は政治に無関心なので、政治家にどれだけ酷い対応をされているのかが全然理解できていません。誰も責任を取らないし、誰も新型コロナウイルスに本気になって取り組もうという人はいません。だから、日本国内でどんどん患者は増えるし、死者が出ても、安倍晋三総理や菅義偉官房猟官が適当なお悔やみを述べるだけであっさり終わるのです。被害を最小限で留めようという気がまるで感じられないくせに、なぜか政府対応を見当違いな自画自賛する人物まで出てきてしまう始末です。

◆自画自賛する武見敬三さん

自民党麻生派の議員であり、日本医師会会長が父であった縁で医師会のバックアップを受ける武見敬三議員。彼の頭の中は一体、どうなっているのでしょうか。途中で落選したことはあったものの、1995年から参議院議員になり、今回も5回目の当選を果たした自民党の大ベテランです。昨年7月の参院選で当選を果たしたばかりなのですが、その武見敬三さんが「今回のオペレーションの最優先目的は3700名の乗員乗客の中に何名いるかわからぬ保菌者が入国し国内で感染が広がることを阻止する事だ。これには成功した!」とツイートしているのですが、誰もが思っているはずです。

「ただの問診と検温だけで『異常なし』と判断して下船させているんだから、下船した人の中から陽性になる人が出るし、船を出る時に着替えるわけでもなく、そのまま電車に乗って帰っているんだから、市中感染待ったなしだ」と。

中国の習近平さんがたびたび「我々は封じ込めに成功している」とドヤってるもので、ぼんやりと「中国共産党って、どこまで行っても中国共産党だな」と眺めている人も、中国が自分の国じゃないからぼんやり見ていられるけれど、中国共産党とまったく同じ思想の人が日本の与党である「自民党」にいて、こんな認識をしているのは、武見敬三さんに限らず、まだまだたくさんいそうなのです。こんな地獄があったでしょうか。

◆岩田健太郎さんを悪者にしたがる男

元経済産業大臣の世耕弘成さんは、ダイヤモンド・プリンセス号の酷い状況を告発した岩田健太郎さんを悪者にするべく、高山義浩さんを「現場で頑張る専門家」と紹介し、「岩田先生が船内にいたのは2時間弱で、ラウンジ周辺しか見ていないことなど、重要な指摘がなされています」とツイートしていました。

つまり、”あの岩田健太郎って奴は現状をほとんど知らずに言っているに過ぎないので、現場で頑張っている専門家を信用しましょう”と言っているわけなんですが、皆さんももうご存知だと思います。ダイヤモンド・プリンセス号の内部は、まったく有効なゾーニングができておらず、これまでに厚生労働省の職員2名、検疫官2名、横浜市の救急隊員1名、和歌山県の看護師1名と、船内で活動した人が根こそぎ感染して帰ってくるという酷い状態でした。1日作業しただけで感染して帰ってくるのですから、こんな所で2週間以上も閉じ込められた乗員や乗客がことごとく感染してしまうのは当たり前じゃないでしょうか。

ご覧の通り、世耕弘成さんのツイートは1万リツイート、2万2000いいねがつけられており、「現場で頑張っている人に文句を言うな!」という雰囲気を作り出すことに成功しました。もっとも、このツイートがまったくもって見当違いだということは、のちに「俺はダイヤモンド・プリンセス号の現場で頑張っている一流の政治家なんや!」とドヤろうと思って失敗した橋本岳パイセンのツイートでバレバレになってしまうのですが……。

◆現役副大臣は「伝説」を残す

おそらく伝説に残るレベルだと思います。感染学の第一人者・岩田健太郎さんが「クルーズ船のゾーニングができていない」と警鐘を鳴らしたのに対して、いろんな奴が「岩田健太郎がデタラメを言ってるだけ!」と反論したのですが、もちろん、現場の最前線にいる橋本岳厚労副大臣も反論。現場にいる人間として「ゾーニングができていない」なんて言われたら黙っちゃいられないという話でしょう。Twitterでゾーニングされている様子を報告しようと思ったんでしょうけど、橋本岳パイセンはこんなツイートをかましました(削除済み)。

岩田健太郎さんに「たった2時間いただけのオマエに、一体、何がわかるんだ!」と反論していた人物がいましたが、橋本岳パイセンの「内部告発でもするつもりなんか?」という画像を見れば、素人でも「秒」でゾーニングできていないことが分かります。これのどこがゾーニングやねん!! 皆さんはこの写真からどれだけのツッコミどころを見つけられるでしょうか。ちょっとした間違い探しみたいになっています。あくまでも感染症の素人による視点ですが、ざっくり僕が「これはどうなのか?」と思った点は以下の通りです。

まず、めちゃくちゃ初歩中の初歩なんですけど、清潔ルートと不潔ルートがロープで仕切られているだけで、中がコネクティングルームになっている。新型コロナウイルスは「エアロゾル感染するのではないか」ということが既に指摘されている中で、不潔ルートと清潔ルートが仕切られていないというのは、だいぶ頭がおかしいです。清潔ルートの人は余裕をぶっこいて、アウターまで着ていますが、装備品が最小限ではないところも感染する確率を増やしています。さて、問題はここからです。

◆素人のパッと見でも浮かぶ疑問

●トイレが清潔ルートでも不潔ルートでもないところにある

橋本岳パイセンの写真を見る限り、このトイレの前にロープがある様子もないので、誰もが普通に使えるのでしょう。しかし、この新型コロナウイルスには既に「糞口感染」が認められています。ノロウイルスと同じように、感染者が使うトイレは最高に危険なのです。ところが、この写真を見る限りでは誰でも自由にトイレを使うことができるように見えます。これでは、感染待ったなしです。

●不潔ルートにいる人物も防護服を着ていない

不潔ルート側に写っている人がいるんですが、この人が明らかに防護服を着ていません。言っておきますけど、これは岩田健太郎さんの告発を受けてのツイートですから、岩田健太郎さんの告発を受けてなお、不潔ルート側に防護服を着ていない人がいるのではないかと思ってしまいます。

●ルートの奥の部屋もコネクティングルーム&ドア開放

天井の状態を見るに、手前の部屋だけでなく、清潔ルートと不潔ルートの先にある部屋もコネクティングルームになっているように思えます。いくら和泉洋人補佐官と不倫している大坪寛子さんが国会の審議に出席したくないためにクルーズ船の業務にあたっているとはいえ、ゾーニングするべき場所までコネクティングルームにする必要はありません! っていうか、ここを一番コネクティングルームにしたらアカンのです!

●橋本岳パイセンがiPhoneを持ち込んでいる

iPhoneを持ち込んでいるということは、橋本岳パイセンがいる場所というのは清潔ルートだということになろうかと思いますが、だとすると、清潔ルートと不潔ルートがダイレクトに結ばれていることになります。お菓子の工場ですら、工場に入るのに着替える場所と、ホコリなどを落とす場所と、いくつかの段階を経なければ入ることができないし、入口と出口が分かれているぐらいに衛生面には気を付けているのに、清潔ルートと不潔ルートが「直」でつながっていて、靴を変えている様子もありません。これだと靴の裏からウイルスが清潔ルートに入り込むと思うのですが、その清潔ルートは安全なのでしょうか。厳密に言えば、船そのものが汚染されている可能性があるわけですから、その区分けは船の外でやるべきではないでしょうか。巷の焼肉屋ですら「O-157対策」で厨房では長靴を履いていると思うのですが、巷の焼肉屋にも劣るぐらいの意識で、人が死ぬかもしれない感染症と向き合っているということです。こんなの船の中で感染が拡大するのは当たり前じゃないでしょうか。

もちろん、これは写真から素人が類推しただけなので、実は現場では対応できていたのかもしれません。いや、そうあってほしいとすら思っています。

◆石原伸晃さんの何もわかってないツイート

この国の世襲議員は、まさしく親の七光り以外に見るべきところはないのでしょうか? 橋本龍太郎さんの息子である橋本岳さんにしろ、小泉純一郎さんの息子である小泉進次郎さんにしろ、目も当てられないレベルで、政治家以外の仕事は務まらないのではないかと思うほどです。

そして、石原慎太郎さんの息子である石原伸晃さんもまた同様でした。

いまや日本を9カ国が入国制限をしているのですが、この状況を石原伸晃さんは「いわれなき風評被害だ」と言っているわけです。

しかし、現状はミクロネシア連邦やトンガといったオセアニアの小さな島国が中心で、これらの国はあまりに医療が発達していないので、島民に新型コロナウイルスが流行ったら対処できなくなってしまうのです。例えば、サモアでは昨年に「はしか」が大流行し、小さな子供たちがたくさん亡くなりました。こうした脆弱な医療体制しか持てない国では、日本からの入国を制限せざるを得ません。あとは、韓国、タイといった国々だと思いますが、これらの国々は既に国内で感染者が発生している状態であり、さらなる悪化を防ぐために、同じように流行している国からの入国を制限しているわけです。

日本でもネトウヨが「中国全土から入国制限するべき」と騒いでいるわけですから、やっていることは変わりません。いよいよ市中感染が始まっているのに、まだ9カ国しか入国制限をかけられていないなんて、むしろありがたいぐらいの状況だと思いますが、「不安なんでしょう?」と言っている時点で、彼は何もわかっちゃいません。水際対策に失敗し、ダイヤモンド・プリンセス号では感染者を増やす無能ぶりを見せていたわけですから、こんな国を信用してもらう方が難しいに決まっています。

◆「自民党国防部会」副部会長は新型肺炎よりもハンバーガー

大西宏幸さんは、大阪1区選出の自民党の衆議院議員です。「日本の尊厳と国益を護る会」の幹事をしていて、日本会議国会議員懇談会、神道政治連盟国会議員懇談会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会にも加盟しているので、典型的なネトウヨ議員だと言っていいと思います。

「自民党国防部会」では副部会長をしているそうなので、高らかに「この国を守る」を宣言している人だと思うのですが、国を守るのであれば、まさにこの新型コロナウイルスは、国民の命が奪われるだけでなく、この国の経済がメチャクチャにされてしまう可能性が高いわけで、その影響は既に関西でも出ているはずなのです。今、我々が置かれている状況は「台風上陸真っ最中」と同じだと思うのですが、自民党国防部会の副部会長は、こういうツイートをしていました。

まさに今、北海道では市中感染が深刻で、20代の女子学生が意識不明の重体になるなど、高齢者ばかりか、若い人たちの命さえ危機的な状況であるにもかかわらず、国を守る立場にあるはずの議員が「新型ハンバーガー」をツイートして、バーガーキングの思い出に浸っているのです。いつもだったらこういうツイートにも和むのかもしれません。が、今は「台風の真っ最中と同じ状況」なのです。ハンバーガーの思い出を語ってる場合じゃねぇだろ!

◆非常時にこそ政治家のツイートをチェックせよ

新型コロナウイルスの市中感染が広がりつつある今は、まさに川の堤防から水が溢れ始めているのと同じです。そして、日本では既に4人がお亡くなりになり、重症患者も少なくありません。もっと言えば、韓国にケンカを売って、中国からは新型コロナウイルスのせいで客が来なくなり、ただでも悲惨なことになっているのに、消費税が10%になったために消費が大きく冷え込んでいる。これから日本の経済が戦後最大のダメージを受けるのは火を見るより明らかです。 そんな状況にアイディアを出し、立ち向かっていかなければならないのが「政治家」という仕事のはずですが、ご覧の通りの有り様です。みんなが政治や選挙に関心を持たず、こういう人物ばっかりを議員にしてしまったために、これだけたくさん税金を払っているのに何もしてもらえない環境に追いやられようとしているのです。今こそ政治家たちの仕事ぶりをちゃんとチェックして、次の選挙ではちゃんとした選択をしましょう。

<文/選挙ウォッチャーちだい>