20~30代の男性は、3割が浮気または不倫している。
相模ゴム工業が1万人以上を対象にした調査で、明らかになっていることだ。全年齢をとっても男性の4人に1人は交際相手以外にパートナーがいる。いずれも女性の浮気/不倫率と比べて10ポイント程度高い。
世間であれだけ芸能人の不倫がバッシングされているというのに、男性の4人に1人、女性の7人に1人は「同じ穴のムジナ」というわけだ。
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さて、ここまで日本ではびこっている不倫だが、そのコストを正確に知る人は少ない。なんとなく「不倫はダメ」と言っている人も多いだろう。
そこで筆者は『FPと弁護士に教わる!結婚のメリット・デメリット』という会を催し、率直な意見を専門家からお伺いした。
まず「不倫がバレると、相手から慰謝料を請求される」というリスク。これは誰もが知っているだろう。恋愛ドラマでも「慰謝料」という言葉が頻繁に飛び交うからだ。だが、それは一体いくらなのか。
弁護士の先生「100~300万円が相場です。不倫の結果、どれくらい夫婦生活に支障が出たかで額が変わります。たとえば別居に至った、離婚した、などの結末を迎えた場合は慰謝料が高くなる傾向にあります。
100~300万円は総額で、不倫したパートナーと、相手になった人が払う合計額です。ですので、それぞれに300万を請求できる、というわけではありません」とのことだ。
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たとえば、あなたが結婚してから2人と同時に不倫したとしよう。
それが一気にバレたら、さすがに離婚されてしまうかもしれない。そうなると、支払い能力にもよるが600万円の慰謝料請求をされる恐れもあるわけだ。
さらに、あなたの稼ぎが相手より多ければ、相手は別居・離婚の話し合い期間中も収入差分(婚費)を請求できる。
「バレたら離婚」というリスクは不倫カップルを燃え上がらせるだけかもしれないが、「300万円+婚費」と実際の金額を考えると、冷静になれるのではないだろうか。
そして、収入より無視できないのが「友人を失うリスク」だ。
ドライな話をするが、金銭のもめごとは自分が払えさえすれば何とかなる。極端な話、あなたの年収が1億あれば、慰謝料300万円も許容範囲内だろう(年収によっても、慰謝料は変わる可能性があるが)。
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それよりも不可逆なのは、不倫でかけがえのない友人を失うことだ。
fumumuの調査によると「どんな理由があっても、不倫は悪だと思う」という質問に対し、20~30代女性の過半数が当てはまると回答した。不倫を許せない女性の割合は、男性よりも15ポイント以上高い。
しかもこの質問は「パートナーの不倫」以外の、すべての不倫を対象にした質問だ。つまり、20~30代のうち2人に1人の女性、3人に1人の男性は友人の不倫が「どんな理由があっても、悪だと思う」のである。
実際に、不倫した友人を見限ったとする男女から話を聞いた。
Aさん:前は、そこまで過敏じゃなかったんです。別に人は人っていうか、友達が不倫をしててもなんとも思いませんでした。でも、何年も相談を聞いているうちに「陶酔してる感じ」が耐えられなくて。友達とは少しずつ疎遠になりました。(女性・20代)
Bさん:不倫が許せないと思ったのは、自分が結婚してからです。独身だったころは不倫の話を聞いてもどこか他人事でした。でも、自分が結婚してみると、友達が相手の家庭を踏みにじっているってリアルに感じてしまったんですね。別に既婚者を好きになってもいいですけど、離婚してからにすべきでしょ。それが許せなくなって、ここ数年は会ってないですね。(男性・30代)
Cさん:もともと、不倫を止めなかったのが私だけだったんですね、友達の中で。だから全部のグチや悩みを相談されて。(不倫相手の)彼を紹介されて、飲むようになって。なんか私も不倫に加担してる感じが嫌になって、友達をやめました。(女性・30代)
話を聞いてみると、不倫そのものが嫌だからと縁切りする友人はそう多くない。だが、不倫は関係が不安定なことから、情緒にアップダウンが生まれ、友達をも巻き込むことになる。
筆者がよく聞く「友人に迷惑をかける不倫」はこういった話だ。
・クリスマスやゴールデンウィークなど、家族イベントで既婚者が不在になると相手の手など体のパーツだけが映りこんだ「関係をにおわせるSNS投稿」をしてしまう。友人がそれを見て、モヤモヤしてしまう。
・友達にだけ「不倫をやめられない、他の人がいいと思えない、でもこのままじゃいけないって分かっている、でも愛人として割り切る覚悟も、奪う気も起きない」と答えのない心情を垂れ流しにしてしまう。最初は話を聞けた友人も、疲弊させてしまう。
・不倫相手を友人に紹介して、あたかも正規の「彼氏」「彼女」であるかのような扱いを求める。最初はなんとも思わなかった友人も、3人で会うことに苦痛を覚え始める。
・周りが「そんな関係、やめておきなよ」と止めに入ったとき、不倫をとがめない友人に守ってもらおうとする。とがめない友人が”あえて不倫を止めないだけで、別にポジティブな感情を抱いているわけではない”ことを無視してしまう。
では、これらをせず不倫ができれば友人を失わないかというと、そんなことができるほど理性の強い人間は最初から不倫をしない。もしくは、行動を起こす前に伴侶と話し合って公認不倫――お互いに彼氏・彼女を作っていいと合意した不倫――ができる。
感情的に不倫を始めた時点で、友人を維持するのは無理な話である。恋心で不倫を始めてしまった時点で、それは友人を失うリスクと天秤にかけているのだ。
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不倫を止める権利は筆者にない。というよりも、止めても意味がないと思っている。だが、そんな筆者ですら公認以外の不倫にはモヤモヤした感情を抱くのだ。
一度まじめに不倫のリスクを見つめなおし、「この相手に300万を払う価値はあるのか? 友人を失ってもよいか?」と想像してみてほしい。