「リア充」を初めて聞いた外国人は何を想像するのでしょう? 「リアルが重い人はたくさんいます」。フィリピン出身のマージョさんが考えた「リア重」という言葉。その背景には、バーチャルの世界に救いを求めるという「リア充」とは逆の状態になっている外国人の厳しい現実がありました。(withnews編集部・松川希実)
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きょうのことばリア充……恋人がいる、友達が多い、仕事が充実している人。現実(リアル)の生活が充実している人を見て、うらやましいという気持ちで、「リア充」と言います。【フィリピン出身のカンデラリア・マージョさん(21)の驚き】マージョさんは、中学3年生のときに、日本に来ました。愛知県豊田市にあるNPO法人トルシーダで働いています。トルシーダでは、外国から来てすぐの子どもたちに日本語を教えています。マージョさんは日本語とタガログ語と英語を話すことができます。
褒めていない?高校のときに、友達が「リア充」と言っていました。初めて聞くことばでした。意味はわからなかったですが、「カップル」の意味ですか?――どうして、そう思いましたか?友だちは、恋人がいる人を指して、「リア充」だと言っていたので、褒めている感じがしました。――褒めているというより、うらやましいとか、嫉妬する気持ちかもしれません。え~。そうなんですか?――恋人がいる人を、「現実の世界(リアル)が充実している人」と呼びます。ゲームや漫画といった仮想(バーチャル)の世界で楽しんでいるけど、リアルでは恋人がいない人が、恋人がいる人をうらやましいと思って使います。
本当のリアルとはリアルが充実……。「リア重」なら、私の周りにたくさんいます。――え、どういう人ですか?学校に行くことができない子や、始めは学校に行っていたのに、いじめや日本語が分からなくて後で行くことができなくなった子です。リアルが重い人で「リア重」ですね。NPOにたくさん来ます。――……そうですか。リアルが重い人は、バーチャルで救われることもありますよね。日本では、外国人だと明るいイメージで見られるけど、私の知っている外国人には「引きこもり」の人も多いです。「引きこもり」の人は、ずっとパソコンをしていて、家から出ることができません。――「リア重」なのかもしれないですね。マージョさんは今、「リア充」ですか?う~ん、「リーチ」ですね!(笑)あとちょっと、がんばります! ◇ ◇ ◇【NPO法人トルシーダ代表・伊東浄江さんの話】日本で安心して居ることができる場所を見つけることができなくて、家に「ひきこもり」になる外国人がいます。日本で働いている親と一緒に暮らすために、日本に来た子どもたちには、いろいろな理由で、学校に行くことができなくなる子がいます。たとえば、中学を卒業するぐらいの年齢(15~16歳)で日本に来ると、学校に入るのを断られることもあります。勉強したくても、勉強する場所を見つけることができず、働く場所を探すのも難しいです。家でインターネットやゲームをして「ひきこもる」ことになります。日本に来る前は、もっと簡単に勉強する場所や働く場所が見つかると思っていたかもしれません。1人1人と話すと、やる気がないのではないと分かります。子どもたちの気持ちを考えながら、日本にある情報やサポートを説明してくれる人が必要だと感じます。 ◆【withnewsやさしい日本語ニュース】日本で暮らす外国人が増えるなか、情報をなるべくシンプルに、誰にでも分かりやすくした「やさしい日本語」で、毎週土曜日に配信しています。辞書に載っていない日本語や、びっくりした外国人の行動……、日本人と外国人の「もやもや」をほぐすと、今の日本が見えるかもしれません。「#となりの外国人」であなたのエピソードをツイートして、おしえてください。