神奈川止まらぬ感染 経路不明多数 自治体に危機感

国内で新型コロナウイルスの感染が広がるなか、神奈川県でも感染者の増加が止まらない。2日現在で感染が確認されている県内居住者は32人(クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗員乗客を除く)。2月下旬以降は1日当たり1人以上のペースで判明し、自治体や医療機関が対応に追われている。感染経路が不明なケースも見られるようになり、着地点も見えないまま、多くの県民が不安を募らせている。
神奈川県内で初めて感染者の陽性が確認されたのが1月15日。中国湖北省武漢市から帰国した30代男性で、国内初の感染確認でもあった。ただ、以降、本県では2月11日に、クルーズ船の対応にあたった50代の男性検疫官の感染が判明するまで、約1カ月間、新たな感染は確認されなかった。
■院内感染の疑い
県内では、13日に亡くなった80代女性が、死亡後に新型コロナウイルスの検査で陽性だったことが分かり、国内で初めての感染者の死亡となった。女性は集団感染が確認された、東京都内で行われた屋形船の新年会に参加した県外居住の男性の義母だった。
以降はほぼ連日、感染者が判明。この女性が一時入院した相模原市中央区の相模原中央病院の40代女性看護師の感染が16日に確認されたのを皮切りに、この看護師のほか、4人の入院患者(一時入院含む)への感染確認が相次いだ。入院患者4人は70、80代でいずれも同市内居住の男性で、うち1人は80代の妻も感染していた。
感染経路が不明な事例も相次いだ。18日に判明した、横浜市内に居住し、県外で勤務するタクシー運転手の60代男性の感染だ。20、21日にはこの男性と同居する妻、娘への感染も相次いで確認された。
相模原市では、22日に判明した50代男性がJR東日本の社員で、同居する50代の妻、いずれも20代の娘2人も感染していた。
■発生地広がりも
また、後日、男性の同僚の60代男性=厚木保健福祉事務所管内(厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町、清川村)居住=の感染も判明。50代男性と60代男性は、JR相模原駅のほか、上溝駅、原当麻駅などでも勤務していたが、いずれも勤務中はマスクをしていたほか、接客など不特定多数の人に接するような業務内容ではなかったと相模原市が公表している。
同市では27日に40代の主婦と福祉事業所に勤める20代男性、3月1日に建設業の50代男性と50代の妻の感染も相次いで判明し、いずれも経路は分かっていない。本村賢太郎市長は同日の記者会見で「市内における感染は日を追って深刻な状況になっている。感染拡大を防ぐため、市民の皆さまには、感染を回避するための行動に協力していただきたい」と訴えた。
発生地の広がりもみせている。2月24日は鎌倉保健福祉事務所管内(鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町)に居住し、都内に勤務する会社員の50代男性、26日には厚木保健福祉事務所管内・県内勤務の会社員の50代男性の感染が判明。25日には、鎌倉市のJR大船駅構内で、70代女性が体調不良を訴え、同市消防局の救急隊員らによって近くの医療機関に搬送され、その後の検査で陽性が判明した。搬送に付き添った20代の孫娘も3月2日に陽性が判明した。
■自治体も危機感
また、この70代女性と同居する50代の娘が、頭痛の発症から陽性が判明するまでの間、同市内のホットヨガスタジオで2回にわたりレッスンを受けていたことが明らかとなり、店舗は消毒などのため、1日から7日まで臨時休業に入っている。
感染拡大に伴い、こうした不特定多数の人と患者が接触しうる事例も増えており、自治体の首長らは危機感を募らせている。同市では、女性の陽性判明後、救急隊員らに対してPCR検査を実施している。
同市の松尾崇市長は記者会見で「感染者が身近にいるという前提で、自身が感染しないための行動を考えていただきたい」と警鐘を鳴らした。