新型コロナウイルス対策で政府は9日、中国と韓国からの入国制限を強化した。発行済み査証(ビザ)を無効とし、入国者にはホテルなどで2週間の待機を求める。ただ、検疫法の措置ではない「要請」で、費用も自己負担だ。どこまで効果があるのか。
◇
羽田や成田など各空港では8日、韓国からの留学生らの駆け込み入国や、中韓に赴任する駐在員の家族らの駆け込み帰国が相次いだ。
厚生労働省によると、9日から今月末まで、中韓からの入国者には予約したホテルや自宅まで公共交通機関を避けて移動するよう求め、滞在先が決まっていない人は検疫所の指定する施設を紹介する。14日間を待たず出国する人は国内に留め置かないとしている。
こうした措置について「もう遅すぎる」と批判的なのは、山野美容芸術短期大学客員教授で医学博士の中原英臣氏だ。
「既に国内にウイルスが広がっており、中国と韓国からの入国者を待機させても効果はたかが知れている。そもそも国が待機中の滞在費用を負担するとも発表していないのに素直に要請に応じるだろうか。本当に水際対策をしたいのであれば本格的に飛行機の移動を止めるしかない」
一方、元通産官僚で評論家の八幡和郎氏は今回の決定を「スケジュールとしては悪くない判断」と評価する。
「世界保健機関(WHO)も以前は入国規制を行わないよう呼び掛けていた。春節の時期に規制しなかったことで、ある程度のインバウンド収入を得られ、観光ビジネスが何とか持ちこたえている側面もある。現在は世界的に入国規制が進んでいるので日本の要請が非難される筋合いもないし、何の規制も行わなければ『日本は危険だ』と風評被害を受けかねない」と指摘する。
とはいえ、前出の中原氏が指摘するように入国制限がザルになる恐れはないのか。八幡氏は「抜き打ちで滞在先をチェックし、不必要な外出が判明すれば再入国を禁ずるなど厳しいペナルティーを設けるといいのではないか」と提案する。
八幡氏は「規制は『期間は短く、効果的に』というのがポイントだ。4月には徐々に規制を緩和すれば桜のシーズンに観光客を呼ぶこともできるし、留学生も日本に戻ってこられる。そのまま5月のゴールデンウイーク(GW)には元通りの状態にできれば理想的ではないか」と話す。
シナリオ通りに事が運ぶか、正念場が続く。