宮城県名取市と遺族和解=防災無線故障の津波訴訟―仙台高裁

東日本大震災の津波により宮城県名取市閖上地区で家族4人が犠牲になったのは、市の防災無線が故障し避難が遅れたためなどとして、仙台市の夫婦ら遺族4人が名取市に計約6770万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は、12日に仙台高裁(山本剛史裁判長)で和解が成立した。
和解条項には、市が地域防災計画の充実や職員の防災意識向上に取り組むことや、震災の教訓を風化させないため第三者委員会の検証報告書を震災伝承館で展示することなどが盛り込まれた。
和解後に記者会見した原告は「悩み抜いた末、災害時は命を守る行動をすると市に約束してもらうことのできる和解を選択した」と話した。山田司郎市長は取材に対し、「有事の際に一人でも多くの命を救う対策を講じていきたい」と述べた。
訴状などによると、地震で防災無線の親機が故障し、閖上地区では避難指示が放送されなかった。同地区にある妻の実家に預けられた当時0歳の長男を含む家族4人が津波にのまれた。一審仙台地裁は2018年、市の責任を認めず請求を棄却した。
[時事通信社]