滋賀県は17日、大津市に住む20代女性が新型コロナウイルスに感染していたと発表した。感染者が増加しているフランスやスペインなど10カ国を2月14日から単独で旅行し、3月16日に帰国後、発熱した。県は市内の実家に住む母が濃厚接触者に当たるとして、PCR検査を実施する予定。県内で感染が確認された患者は4人となった。
女性はタイを皮切りに、ヨルダン▽トルコ▽カタール▽イギリス▽フランス▽スペイン▽ポルトガル▽モロッコ▽フィンランド――を約1カ月かけて旅行。飛行機や電車、夜行バスなどを利用して移動し、16日午前に関西国際空港に帰国した。
帰国時の検疫では平熱だったが、母が運転する自家用車で大津市内の実家に約4時間半後に到着した際、39・1度の発熱があり、実家には入らないまま市の帰国者・接触者相談センターの紹介で市内の医療機関を受診。実家から離れた市内の自宅で待機し、PCR検査で17日に陽性が判明した。現在は感染症指定医療機関に入院しているが軽症といい、医療機関で他の患者とは接触が確認されていない。
女性が訪れた10カ国は17日現在、全て感染者が確認されている。
また県は、15日に感染が確認された、同県東近江市に住む50代の男性会社員の濃厚接触者15人にPCR検査を実施した。そのうち、清掃会社の同僚9人は17日に陰性と確認。残りの6人は、男性の母の家で8日に営まれた法事に参加した人のうち、既に感染が確認された50代の妻を除く僧侶や親戚で、検査結果は18日に判明する予定。妻が勤務していた工場には、濃厚接触者は確認されなかった。
17日に県庁で記者会見した県健康医療福祉部の角野文彦理事は、この妻が「スーパーで働いている」などのデマが広がっているとし「感染者は被害者であり、人権に配慮を」と呼び掛けた。
東近江市も市の公式ホームページに「感染した人やその家族、治療にあたった医療機関関係者などに対し、不当な差別、偏見、いじめなどがあってはなりません。不確かな情報に惑わされて人権侵害につながることのないよう、国や県が提供している正しい情報に基づき、冷静に行動を」と呼び掛ける文書を掲載した。【成松秋穂、諸隈美紗稀】