無症状の間にデイケアで拡大か 25人感染のグリーンアルス伊丹 新型コロナ

デイケアの利用者や職員らが新型コロナウイルスに感染し、クラスター(感染者集団)が形成された介護老人保健施設「グリーンアルス伊丹」(兵庫県伊丹市西野3)。兵庫県のまとめによると、16日までに利用者の家族らを含む25人の陽性が確認され、うち2人が死亡した。重症化しやすいとされる高齢者向け施設だが、無症状の人もおり、リハビリや活動を通じて、気づかないうちに拡大したとみられる。
県によると、グリーンアルス伊丹では7日に利用者だった80代女性の感染が判明。利用者の80代男性と、妻が利用者だった80代男性の計2人が死亡するなど計25人が新型コロナウイルスに感染していた。この他にも、同じ運営主体の系列施設でも40代の男性介護士の感染も確認されている。県の調査では2月下旬に発症していた人もいた。
グリーンアルス伊丹の塩田真一郎事務長によると、1階でリハビリや食事、プログラムなどデイケアのサービスを提供。約150人が利用し、職員は26人の態勢だった。7日に初めて感染者が確認され、9日から休業している。
デイケアの利用時には検温して健康状態をチェックし、手指の消毒もこまめにしていたという。37・5度以上の発熱がある場合などは、デイケアを休むよう家族にお願いしていた。対策はしていたが、最初に感染が確認された80代女性は、36度台の体温で施設を利用した2日後、重症化して入院した。塩田事務長は「症状がない段階で感染を見抜くのは難しい」と話す。
感染が広がったことについて、県幹部は「施設が通所という形態で、人の出入りが多い。病院や老人ホームと比べて、職員や利用者間の接触が多いことも要因だろう」とみる。
県は症状がある利用者や職員を優先的に検査。利用者156人と、職員や家族ら98人をPCR検査(遺伝子検査)の対象とし、16日までに約100人の検査を終えた。
無症状の利用者らについては、自宅待機している施設の職員らが電話で利用者の健康状態を確認しており、今後は陰性が確認された職員が医療機関へ送迎して検査を進める予定だという。
塩田事務長は「利用者の家族から早期の再開を希望する声も多い。新たな感染者を出さないよう、徹底した感染症対策をしたい」と話した。【近藤諭、春増翔太】