「なぜ自宅の前で」さいたま小4殺害、男児の身に何が

さいたま市見沼区大谷(おおや)で18日、遺体で見つかった小学4年、進藤遼佑(りょうすけ)君(9)は、すれ違った同級生の保護者らに挨拶を欠かさない明るい少年だった。普段着姿のまま、住んでいた集合住宅の居室そばのスペースで見つかるという最悪の結末に、前夜から無事を祈った保護者や周辺住民からは「元気だったころの姿しか浮かばない」「なぜ自宅の前で…」と悲しみの声が漏れた。
進藤君が通っていた市立大谷小学校によると、進藤君は過去、放課後児童クラブ(学童保育)に入っていた。しかし、習い事が多かったことを理由に途中で辞めており、17日は6時限目の授業を終え、午後3時15分には小学校を後にしたとみられている。その後、自宅そばのバス停からバスに乗り、約4・5キロ離れたJR大宮駅(さいたま市大宮区)近くの英会話塾に向かう予定だった。
普段は午後7時半ごろに塾を終え、バスで帰宅していたが、勤務先から自宅に戻った母親(42)が塾を欠席していたことを知り、午後8時20分ごろに110番通報。学校側からは4年生の保護者らに「進藤君の行方が分からない。捜してほしい」とのメールも送られ、ツイッターなどでも「困ってそうな男の子の情報があれば教えてほしい」と情報提供を求める動きが広まった。
埼玉県警は警察犬も投入して捜索を開始、周辺の草むらまで範囲を広げ、近隣は物々しい雰囲気に包まれた。だが、通報から約4時間過ぎた18日午前0時40分に遺体が見つかったのは、居室前の外階段付近にあるメーターボックスの扉付きスペースだった。
「なぜ進藤君を狙い、わざわざ自宅の前に遺体を隠すように置いたのか」。捜査関係者は発見場所が捜査の鍵になると指摘する。
県警は下校時間帯以降の足取りを入念に調べており、自宅付近で殺害された可能性も視野に入れている。近隣住民らによると、付近は治安がよいものの、夜になると人通りが少なく、不審者が出没することもあったという。
進藤君は市内のスイミングスクールに小1から昨年12月まで週1回通い、進級テストにも順調に合格。スクール関係者は「地道に練習に取り組み、クロールや平泳ぎを習得していた」と振り返った。息子が同級生という40代女性は「道ですれ違うと必ず挨拶をしてくれる明るい性格の子だった」と話した。
大谷小学校の校長は18日の記者会見で「休むことなく学校に通い、勉強にも意欲的だった。クラスに友達も多かった。深い悲しみでいっぱいだ」と声を詰まらせた。