環境省は27日、南アルプス国立公園のニホンジカの管理捕獲の業務で同省と請負契約している山梨県猟友会(甲府市)が捕獲頭数などを水増しした虚偽の報告書を提出し、2018年度までの6年間で約1300万円を過大に受給していたことを明らかにした。同省は県猟友会に過大受給分の返還と損害金を請求し、県猟友会は返還に応じる意向を明らかにした。【山本悟】
同省によると、南アルプス国立公園の県側地域でニホンジカによる高山植生の食害などが相次ぎ、同省は10年度から県猟友会と捕獲業務の請負契約を結び、捕獲頭数と猟に出た人数に応じて請負費を支払ってきた。
ところが、猟友会は捕獲頭数や出猟人数を実際よりも多く記載した報告書を提出し請負費を過大に請求。記録で確認できた13~18年度の6年間に同省が支払った請負費計2735万円のうち計1320万円が過大受給だった。同省は虚偽報告で損害を受けたとして損害金220万円も請求。さらに27日から1カ月間、同省の事業で県猟友会を指名停止にした。
1月に開かれた国立公園の担当者と地元関係者の意見交換会で、報告書の実績と異なる捕獲情報が寄せられことから、同省が立ち入り調査を実施し、虚偽報告が判明した。
一方、記者会見を開いた県猟友会は、捕獲頭数と出猟人数の単価契約について、定額契約と勘違いし、さらに県の管理捕獲エリアを国立公園の捕獲エリアと誤認し県に請求すべきものを同省に請求していたと釈明。塚田豊会長は「間違った認識に気づかないまま、(事務手続きが)引き継がれてしまった。報告書の作成に過失があったことが分かったので返還したい」と話した。