安倍晋三首相が1世帯に2枚を配ると表明した布マスクについて、地元の山口県内にある企業が受注するのではないかと、ツイッターなどで憶測が流れている。
この企業が県から布マスクの受注を受けたとの報道が元になっているが、この企業は、「まったく関係ないです」と否定し、噂に困惑している様子だ。
「もしかして、これもなんかの利権?」
安倍首相が2020年4月1日に珍しくマスク姿で発言した直後、前出の企業に関係する新聞のウェブ版記事を引用して揶揄するようなツイートが投稿されると、こんな声が次々に上がった。
この記事では、新型コロナウイルス感染に関する緊急対策として、山口県が3月23日、制服などを製造する県内企業に対し、幼稚園などに配布する布マスク12万枚の生産を委託すると発表したことを報じていた。マスクの生産委託は都道府県で初めてといい、県が買い取って、園児ら1人当たり2枚を配るという。
さらに、この企業の社長が安倍首相とフェイスブックで「友達」関係になっていたことから、根拠のない憶測がツイッターなどで流れるようになった。
また、マスクの配布は、日本郵政のシステムを通じて行われることから、筆頭株主の麻生太郎財務相が不祥事で困っている日本郵政を救おうとしているのでは、との見方まで書き込まれた。
もっとも、この企業が国から受注するというのはデマではないかとの声も出て、「県の仕事を県内に発注しただけでしょ」「裏があるかの様に印象操作するのはおかしい」と冷静に考えるよう促す向きも多かった。
実際のところは、どうなっているのだろうか。
「色々な企業にアプローチを考えている」
山口県内にあるこの企業の専務は4月2日、安倍首相が配布するとした布マスクの受注について、「国から言われたことはないです」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
ネットでの憶測により、企業の公式サイトにアクセスが殺到して、サーバーがパンク状態になり、この日は、少なくとも夕方までサイトにつながりにくい状態が続いた。
厚労省のコロナ対策本部は、布マスクの製造元について、マスク班の担当者が取材にこう説明した。
日本郵政のシステムを使うことについては、「世帯の情報を持っているからです。マイナンバーは使えず、日本郵政しかなかったということです」と説明している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)