警察庁は2日、2019年に全国の警察が大麻事件で摘発したのは4321人で、前年に比べて743人(21%)増えたと発表した。3年連続で過去最多を更新した。20代以下の増加が目立ち、全体の約6割を占めた。同庁は「興味本位で手を出す若者が多い。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使った隠語による取引が広がっている」として取り締まりを徹底する方針を示した。
薬物事件全体の摘発人数は、1万3364人(前年比3・6%減)。このうち大麻は全体の32・3%で、覚醒剤の64・2%に次いで多い。覚醒剤で摘発された人の66・3%は再犯者だが、大麻は77・6%が初犯という特徴がある。
大麻で摘発された人の年代別内訳は20代が45・1%と最多で、30代24・7%、20歳未満14・1%など。大学生132人、高校生109人、中学生6人も含まれ、最年少は14歳の男子中学生だった。
警察庁が単純所持(営利目的ではない所持)の631人について調べたところ、大麻を初めて使用した経緯は「(友人、知人などに)誘われて」が77・2%で、若いほどその比率が高くなった。動機は「好奇心・興味本位」が58・8%で、「その場の雰囲気」が20%など。
大麻は不安やパニック、精神疾患を発症するリスクを上昇させ、依存症になる恐れがある。しかし調査対象者の8割弱に当たる498人が有害性を「全くない」「あまりない」と考えていた。有害性を軽視する理由(複数回答)は「合法な国がある」との回答が331人で最も多かった。
警察庁によると、嗜好(しこう)用の大麻はカナダやウルグアイ、米国の一部の州で解禁されている。カナダでは、少量の個人使用まで取り締まるのは捜査当局の負担が重くなるなどの理由から、販売を許可制にした上で解禁しているが、未成年者への販売などには厳罰を科している。警察庁は「合法化している国も人体への有害性を否定しているわけではない」と強調する。【佐々木洋】