東京などの大都市部で、新型コロナウイルスの感染者が増加し続けている。新型コロナウイルス感染症は感染症法上の「指定感染症」に指定され、PCR検査で陽性になった人は、症状の軽重にかかわらず、原則として強制措置入院させることとなった。 患者や無症状の人も、検査で2回連続陰性なら、症状が軽快してから最短48時間で退院できる(執筆時現在)。 ■重症患者を入院させられない 指定感染症の強制措置入院は、感染症拡大防止に効果的な手法とみられていた。しかし、新型コロナウイルスは無症状や軽症患者が多いうえ、感染力が強く感染者が急増するという特徴から、無症状や軽症患者まで長く強制措置入院させると逆に医療崩壊を招くことが懸念された。 検査で2回連続陰性とならないと退院できないために入院患者が増え続け、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるベッド(病床)の不足と、医療従事者の過労を引き起こした。 退院させられない無症状や軽症患者が病床を埋めていて、重症となり、集中的な治療を必要とする患者を入院させることができなくなっている。こうした状況は東京や大阪でとくに深刻だ。 退院してよい患者を入院させていることで、医療崩壊が強く懸念される状態を引き起こしてしまうのは、新型コロナウイルスに限ったことではない。以前から指摘されていたように、わが国の医療の弱点の一つは、退院してよい患者を入院させていることである。 新型コロナウイルスの入院状況は一般の疾病とは様相は異なるが、退院してよい患者を入院させているという点では共通している。 日本の平均在院日数は諸外国と比べて長い。以前と比べて短くなってきているが、それでも長い。OECD諸国平均の2017年の平均在院日数は7.7日で、日本の16.2日はその2倍以上だ。ちなみに韓国は18.5日、日本に次いで長いロシアが11.0日で、主要なOECD諸国は10日未満である。 ■日本の入院日数が長い「本質的問題」 日本の入院患者は、他国の患者なら退院していても入院し続けている傾向が依然残っている。どうしてこうなっているのか。 医師が退院を勧めるのに患者が退院したがらないとか、医師が病院の収入のことを慮って患者を退院させないなど、「噂レベル」の解説は絶えない。 しかし、本質的な問題は、病床の機能分化・連携が進んでいないところにある。機能分化とは、患者の病状に応じて病床の機能を整え、機能ごとに入院患者を受け入れることである。病状が改善すれば、医療資源がさほど必要でない病床で患者を受け入れ、入院が不要なほどに病状が回復すれば退院に導く。
東京などの大都市部で、新型コロナウイルスの感染者が増加し続けている。新型コロナウイルス感染症は感染症法上の「指定感染症」に指定され、PCR検査で陽性になった人は、症状の軽重にかかわらず、原則として強制措置入院させることとなった。
患者や無症状の人も、検査で2回連続陰性なら、症状が軽快してから最短48時間で退院できる(執筆時現在)。
■重症患者を入院させられない
指定感染症の強制措置入院は、感染症拡大防止に効果的な手法とみられていた。しかし、新型コロナウイルスは無症状や軽症患者が多いうえ、感染力が強く感染者が急増するという特徴から、無症状や軽症患者まで長く強制措置入院させると逆に医療崩壊を招くことが懸念された。
検査で2回連続陰性とならないと退院できないために入院患者が増え続け、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるベッド(病床)の不足と、医療従事者の過労を引き起こした。
退院させられない無症状や軽症患者が病床を埋めていて、重症となり、集中的な治療を必要とする患者を入院させることができなくなっている。こうした状況は東京や大阪でとくに深刻だ。
退院してよい患者を入院させていることで、医療崩壊が強く懸念される状態を引き起こしてしまうのは、新型コロナウイルスに限ったことではない。以前から指摘されていたように、わが国の医療の弱点の一つは、退院してよい患者を入院させていることである。
新型コロナウイルスの入院状況は一般の疾病とは様相は異なるが、退院してよい患者を入院させているという点では共通している。
日本の平均在院日数は諸外国と比べて長い。以前と比べて短くなってきているが、それでも長い。OECD諸国平均の2017年の平均在院日数は7.7日で、日本の16.2日はその2倍以上だ。ちなみに韓国は18.5日、日本に次いで長いロシアが11.0日で、主要なOECD諸国は10日未満である。
■日本の入院日数が長い「本質的問題」
日本の入院患者は、他国の患者なら退院していても入院し続けている傾向が依然残っている。どうしてこうなっているのか。
医師が退院を勧めるのに患者が退院したがらないとか、医師が病院の収入のことを慮って患者を退院させないなど、「噂レベル」の解説は絶えない。
しかし、本質的な問題は、病床の機能分化・連携が進んでいないところにある。機能分化とは、患者の病状に応じて病床の機能を整え、機能ごとに入院患者を受け入れることである。病状が改善すれば、医療資源がさほど必要でない病床で患者を受け入れ、入院が不要なほどに病状が回復すれば退院に導く。