マスクで口の動き見えず…手話ボランティア講座、今年度は中止

三重県伊賀、名張両市は6日、両市共催で毎年開催している手話奉仕員養成講座を新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年度は中止すると発表した。受講者の感染を完全に防止するのが難しいほか、手話は口の動きで読み取るところもあるため、マスクをしながらの講義には限界もあると判断した。
講座は、日常会話程度の手話の技術を習得してもらい聴覚障害者をサポートするボランティアを育てるのが狙いで、両市在住の市民を対象に、会場を両市で交代しながら毎年開いてきた。
今年度は5月から来年2月まで、伊賀市のハイトピア伊賀を会場に、同県聴覚障害者協会の講師から手話の基礎を学ぶ全53講座のカリキュラムを計画した。受講生各市20人ずつを3月16日から4月10日まで募集。これまで28人の応募があった。全講座の7割(37講座)以上を受講した人は、終了後に手話奉仕員として協力してもらう予定だった。
2014年から両市共催になってからは初の中止で、両市の担当者は「手話奉仕員の絶対数は少ない。感染対策をとりながらの開催を模索したが、日程の変更や短縮も難しく、やむなく今年度は開催を見送った」と話している。