新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が発令されてから一夜明けた8日、宣言期間の1カ月が本格的に始まった。宣言が発令された7都府県の繁華街では百貨店が休業するなどし、閑散とした様子が目立った。東京都では1日あたりとしては過去最多を更新する144人の感染が確認された。
緊急事態宣言は改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、安倍晋三首相が7日夕に発令。同日深夜、官報に公示されたことで正式に効力が生じた。
対象地域は東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡。5月6日までの宣言期間に各知事は住民に外出自粛を要請できるほか、学校、百貨店などの使用、イベント開催の制限・停止などを要請・指示できる。
7都府県は8日、法令に基づく自粛要請を本格化した。関西広域連合はテレビ会議を含め計12府県・政令市の知事らが出席した会議を開き「関西・外出しない宣言」を採択。通院や通勤、食品の購入など生活の維持に必要な場合を除いて家にいることや府県を越えた移動を控えるように呼び掛ける内容で、大阪府の吉村洋文知事と兵庫県の井戸敏三知事が記者会見し「関西一体となってコロナを抑えたい」と決意表明した。
東京都が休業を要請する対象業種については、都民や事業者の関心は高く、都が設置した電話相談の窓口「都緊急事態措置相談センター」に問い合わせが殺到している。7日は1511件、8日は1590件の相談があり、朝から専用の25回線が塞がったという。
7都府県にある百貨店の多くは8日から休業に入った。東京・銀座の中央通りでは同日夜、駅に向かうマスク姿の会社員はいるものの、人の姿はまばらで、タクシー運転手の男性(65)は「人出は通常の1割以下。正月の銀座のようだ」と語った。
交通関係では、首都圏を走る大手私鉄の関係者は現時点で具体的なデータはないとした上で「感覚としては通勤利用客は減った」。1日約13万6000人の電車利用がある西鉄福岡(天神)駅の通勤ラッシュの時間帯は「いつもより利用は少ないようにみられた」(西鉄広報)という。
飲食業界でも休業の動きが広がった。定食チェーン「大戸屋ごはん処」を展開する大戸屋ホールディングス(HD)は8日から7都府県の203店中61店を臨時休業し、休業しない店も大半は閉店を3時間早めた。スターバックスコーヒージャパンは9日から約850店を休業する。
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は8日からほぼ全社員に当たる約6000人を特別休暇とし、5月6日まで全店舗を臨時休業とする。【松岡大地、藤顕一郎、南茂芽育】