河井前法相が自ら20万円を 現職国会議員が“実弾”を手渡せた理由

「道義的責任を取った」――。自民党の河井克行前法相(57)の妻、案里参院議員(46)(広島選挙区)の陣営をめぐる選挙違反事件で、克行前法相から現金20万円が入った封筒を受け取ったことを認めた広島県安芸太田町の小坂真治町長(71)が7日、町議会議長に辞表を提出した。

小坂前町長は広島地検の任意聴取を受けたことも明らかにし、「捜査には100%協力する」と語っていたが、この事件はまだまだ闇が深い。自民党本部が案里氏側に渡した「安倍マネー」と呼ばれる1億5000万円の資金の流れが明らかになってないからだ。

現金はどこの誰に、どれだけ配られたのか。広島地検の捜査に注目が集まるが、それにしても昭和の時代ではあるまいし、現職の国会議員が自ら“実弾”(現金)を手渡ししていたとは前代未聞。絶対にバレない自信でもあったのか。地元記者がこう明かす。

「今回の事件は広島地検が動いています。地検に告発状が提出されたこともありますが、通常であれば選挙違反事件というのは警察が捜査する事案です。おそらく、克行さんは『警察は俺に手を出せない』と考えていたのではないか。そうでなければ、政治とカネに対して厳しい目が向けられている中、現職の与党国会議員が封筒入りの現金を自分で配りながら『よろしく』なんて大胆なマネはできません。では、なぜ警察は動かないと見ていたのか。ささやかれているのは例の事件です」

「例の事件」というのは、2017年5月に発覚した広島中央署の窃盗事件だ。県警が詐欺事件の捜査先から証拠品として押収した現金約9000万円のうち、保管していた同署会計課の金庫から約8572万円が消えていたことが判明。当初から内部犯行説が指摘されたものの、その後、うやむやに。そうしたら今年2月、県警は突然、事件当時に同署員だった男性警部補を“容疑者”と断定したことや、自宅で亡くなっていたことを公表したのだ。

「窃盗事件をめぐってはいまだに不透明な点も多いのですが、おそらく河井議員サイドは、この事件の真相を知っていたのではないかとみられているのです。しかし、選挙違反事件で克行さんは法相を辞任し、案里さんの捜査も拡大する一方。県警はこれ以上、窃盗事件について隠していたら、どこからどういう揺さぶりを掛けられるか分からない。そこで、このタイミングで事件を公表しようと考えたのではないか」(前出の地元記者)

これで県警も選挙違反事件に本腰を入れられるということか。