新型コロナウイルスを巡る政府の緊急経済対策に安倍首相は「世界的に見ても最大級の経済対策だ」とご満悦だが、家計支援の手薄さにはア然だ。世論は当然ながら、自民党からも批判が噴出している。
経済対策の事業規模は108兆円でGDP比2割のデカさではあるものの、中身はスカスカ。目玉のひとつとされる現金給付に至っては、全世帯の8割が排除され、対象となっても煩雑な申請手続きを経なければならず、血も涙もない。
各国の対応と比べると、その冷酷非情さは鮮明だ(別表参照)。大きな政府を嫌う米国だが、やるとなったらスピード重視。申請手続きなしで、政府が対象者に小切手を郵送し、今月下旬には各家庭に届き始める見通し。再選しか頭にないトランプ大統領の政治的思惑が働いていたとしても、不満はそうそう上がらないだろう。ジョンソン首相が感染してしまった英国は徐々に支援対象を拡大し、賃金や所得の8割が補償される。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「給付額が10万円→20万円→30万円とつり上がった結果、大半の国民が対象外になるとは思いもよりませんでした。奨学金を貸与にするなど、国を挙げて国民を育てる文化に乏しいこの国の政府は、もともとケチ。とりわけ、国民の痛みが分からない安倍政権はドケチで、自助で何とかしろという考え方で凝り固まっている。保守党のジョンソン首相でさえサッチャリズムを否定し、新自由主義や自己責任は間違っていたと認め、社会の連帯に舵を切った。そうした中で、日本は先進国では異常なほど国民に自己責任を押し付けています」
安倍首相はかつて「税金とは、国民から吸い上げたもの」と堂々国会答弁していた。「富の再配分」は頭の片隅にもないのだ。