世界自然遺産の鹿児島県・屋久島で、屋久島町が新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言の発令期間中は島への移動を自粛するよう呼びかけたところ、観光業者が撤回を求める事態となっている。業者側は「死活問題」として、法的措置も検討しているという。
荒木耕治町長は9日、島内には入院できる病院が一つしかなく、感染が拡大した時に医療体制が維持できなくなる事態を避けるため、来島を控えるように求めるメッセージをホームページに掲載した。緊急事態宣言が発令された7都府県の人や、発熱やせきの症状がある人を対象とした。
これに対し、島で観光、交通事業などを手がける岩崎グループ(鹿児島市)の4社が10日、町に対して撤回を求める文書を送った。自粛要請は「営業権の侵害」にあたるとし、「緊急事態宣言が発令された地域の休業要請と同じような影響をもたらす要請は是認できない」と主張。撤回などされない場合は損害賠償請求訴訟も検討するとしている。
荒木町長は「迷惑をかけることは理解しているが、町民の命を守ることが最優先だ。撤回する意思はない」とコメントした。