「新型コロナで雇い止め」シングルマザーら 神戸市が臨時職員採用へ 面接開始

兵庫など7都府県を対象とした緊急事態宣言で雇用環境の悪化が深刻になる中、神戸市は子どもの世話などで離職せざるを得なかったひとり親たちを、半年の任期付き職員として採用する面接を始めた。新型コロナウイルスの影響で雇い止めされ、面接を受けた市内在住のシングルマザーの30代女性は「まさか自分がと、不安でいっぱいになった」と突然職を失った衝撃を語り、採用に望みをつないだ。
女性は緊急事態宣言の翌8日、面接が始まった日に会場を訪れた。5歳の娘を育てながら、金融系の企業に派遣社員として1年ほど勤めていたが3月、派遣先の上司から「コロナの影響」と雇い止めを告げられたという。3月30日に市が制度を発表した翌日、上司から制度を紹介され、4月1日に応募書類を出した。
感染拡大の収束や景気の先行きが見通せない上に、幼子を守るために除菌用の衛生用品などで出費もかさむ。市が募集する職員の任期は原則6カ月(最長でも2021年3月末まで)だが「雇用環境がどんどん悪化し、小さな子どももいるので、就職活動は厳しい。もし採用されたら、当面の生活が安定し精神的に落ち着いて次の職を探せる」と採用に期待を寄せた。
職員募集は、新型コロナの影響で勤務先の業績悪化や育児を理由に職を失ったひとり親と、就職の内定が取り消された学生らを対象に、それぞれ100人を上限に実施。フルタイムで年収は最大約300万円になる。その間に、安定した就職先を見つけられるようにするのが狙い。内定取り消しの学生は7人から応募があり、1人が6日から勤務を開始している。ひとり親は8人から応募があった。市の担当者は「潜在的には困っている人はもう少しいるはず。随時募集しているので、ぜひ申し込んでほしい」と話す。
一方、市は19日に予定していた氷河期世代を対象とする採用試験の筆記試験を延期する。10人程度の採用枠に約1000人の申し込みがあり、「感染拡大防止の観点から、これだけ多くの人数を往来させるべきではない」と判断。採用も当初の10月から数カ月先に延ばす予定。【反橋希美】