新潟県燕市は、新型コロナウイルスの影響で帰省できなくなった同市出身の学生に、コメなどの食料を“仕送り”することを決めた。市民がお金や寄付を募り、市と協力して同市産のコシヒカリ5キロや布製の手作りマスク、きゅうり、みそ、漬物を送る。
対象は、緊急事態宣言が発令された7都府県に住み、帰省を自粛している同市出身の学生で、首都圏在住の若者に将来的なUターンを促す市の事業「東京つばめいと」のメンバー。緊急事態宣言発令を受け、市は発令区域との往来自粛を呼びかけているが「かわいそうだ。何かしてあげたい」と市民から声が上がり、支援の動きが始まった。
市民有志らがお金を集め、農家からコメを買い上げて市に寄付。きゅうり、みそや漬物は農家が提供し、送料とマスク代は市が負担した。同市産のコシヒカリは減農薬で「県特別栽培農産物」に認証され、もちもちして冷めても甘いという。
当初は100~200件の応募を見込んだが、市が10日に発表するとツイッターなどで話題になり、既に171件(13日午前11時時点)の応募があった。市の担当者は「うれしい誤算」と話し、300件まで対応できるよう準備を進めている。発送は1日に10~20件になるという。
13日は同市吉田本町の農場で荷造りがあり、鈴木力市長も参加。市長は「古里は本来、いつでも帰れる温かいところ。帰省の自粛を頼むのもつらいが、言われた学生もつらいと思う」と述べた。市民有志の一人でもある農家の男性は「身土不二という言葉もある。少しくらい笑顔になってもらえれば」と話した。【池田真由香】