「なみはやリハビリテーション病院」に勤務する看護師が24日、毎日新聞の取材に応じ、院内感染が広がっていった様子や、病院のずさんな対応などを証言した。
20代の女性看護師が最初の感染者として陽性確認されたのは4月14日。だがスタッフたちは、数日前から異変を感じていた。「11日ごろから発熱やせき込む患者が増え始めた。最初は数人で、15~16日にはかなりの人数に広がっていた。スタッフたちは『おかしい』と思っていた」。取材に応じた看護師は振り返る。
この病院は外来診療はなく、リハビリに臨む入院患者向け。感染はリハビリ室の利用者を中心に広がったとみられる。証言によると、15日ごろまで、症状のある患者と無い患者が同時にリハビリしていた。現場のスタッフから上司に「発熱者もいるので、リハビリ室を閉めるべきだ」と提案したが、閉鎖の指示はすぐには出なかったという。
「患者さんに何かあってからでは遅い。早くPCR検査(遺伝子検査)してほしい」。最初の陽性が14日に確認され、不安がより強まった。スタッフの半分は濃厚接触者扱いで自宅待機になり、看護師らの負担が一気に増加した。
病院は人手不足を補えず、陽性が確認された女性看護師2人に夜勤を指示。病院は大阪市の調査に「代わりの看護師が見つからずにやむを得ずにお願いした」と説明したが、近くで2人の苦闘を見ていた同僚として「責任感があり、残された患者さんのために出勤したのだと思う。病院は、やってはいけないことをやった」と強く批判した。
この病院に感染症の専門スタッフはおらず、防護服などの備蓄もなかったという。「現場対応には限界があった」と根本的な問題を指摘し、「病院の責任を追及するだけでは、問題は解決しない。統一的なマニュアルの整備など、行政の支援も必要だ」と訴えた。【矢追健介】