山形・花笠まつり、1963年の初開催以来初の中止に 新型コロナ

山形の夏の風物詩「山形花笠(はながさ)まつり」(8月5~7日)の中止が28日、決まった。新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で、全日程が中止になるのは1963年の第1回開催以来初めて。踊り手や観覧客らで100万人前後の人出が見込まれるだけに、経済面への打撃を含め関係者は苦渋の表情を浮かべた。
「経済面でも痛手だが、命に関わることなので中止にした」。この日開かれた県花笠協議会で中止を決めた後の記者会見で、鈴木隆一実行委員長は、苦しい胸の内を話した。
祭りは、山形市中心部を踊り手が花笠音頭に合わせて練り歩き、昨年は3日間で161団体、約1万4000人の踊り手が参加。観光客ら約98万人が来場し、シンクタンク「フィデア情報総研」の2017年度の調査では、102億4457万円の経済効果があるとされている。
中止は、新型コロナの感染拡大を招くとされる「3密(密閉、密集、密接)」を避けるのが理由で、ミス花笠の選考も中止する。
中止について、同協議会舞踊指導員会の藤間松広会長は「悔しく残念で、頭の中が真っ白になった。来年、元気に笑顔で踊れるよう、(日本舞踊などの)芸術文化を絶やさぬよう来年へつないでいきたい」と語った。
また、山形市の青年会議所などでつくる山形大花火大会協議会は同日、今年8月14日に予定していた第41回大会を中止すると発表した。中止は1980年の第1回以降初めてで、前回は約4万人が来場した。【的野暁】