長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼(こうやぎ)工場に停泊しているイタリア船籍クルーズ船「コスタ・アトランチカ」の乗員の新型コロナウイルス感染が発覚して1週間となった27日、国立感染症研究所の島田智恵・主任研究官が県庁で記者会見し、「乗客がいないことが不幸中の幸いだった」と話した。質疑応答は次の通り。【松村真友】
――乗員の様子は
乗員に感染経路の知識がなく、船全体にウイルスがあるかのような不安感に包まれていた。一方で普段は共用部屋で生活しているため、窓もある客室での隔離を苦にしてはいないようだ。
――船内の対策は
社会的距離を保つ意識は以前からあった。エレベーターの乗員を4人までとしたのは感染発覚以降だ。船内でできる対策はしてきた。しかし、生活衛生を保って船内で生活するためには、陽性者と陰性者が同じ船にいることは限界がある。
――生活衛生は保たれているのか
(洗濯する)ランドリーは共有なので使用時間を分けて消毒を徹底し利用している。そこだけは個室隔離が難しい。
――乗員らがベランダにいるのはどうなのか
港は風も強い。特段気にする必要はない。
――感染者約150人という数について
想定内の数字。いつウイルスが持ち込まれたか分かると思えないが、一度持ち込まれたらあり得る感染率だ。
――桟橋は幅1メートルもないが
元々の桟橋は陰性者用にし、陽性者用は別に設置した。重症者はデッキまで患者に出てもらいゴンドラに乗せ地上まで下ろす。そこに搬送車が待っている形だ。
――ダイヤモンド・プリンセンスの事例との相違点、類似点は
横浜では高齢者も多かったが今回は船内で働く元気な若者が主だ。しかし両者とも船上なので大勢が集まる場は限られていて、感染機会の場になったのではと考える。