「陰性」確認しないまま、感染者を外出させて大丈夫なのか――。新型コロナウイルスに感染し、入院した場合、感染者が「退院」できる条件は、PCR検査で2回連続「陰性」となった時に限られている。
ところが、陽性でも軽症と判断され、ホテルや自宅での療養となった場合、「14日間の療養」が終わったら、PCR検査を受けず、そのまま“療養解除”“外出OK”となるケースが相次いでいることが分かった。
「陰性」確認されないまま、感染者が“療養解除”されているのは、厚労省が各自治体に“確認免除”を通達しているからだ。4月2日付の通知には、こう書かれている。
<宿泊療養中又は自宅療養中の軽症者等にPCR検査を実施する体制をとることにより、重症者に対する医療提供に支障が生じるおそれがある場合には、宿泊療養又は自宅療養を開始した日から14日間経過したときに、解除することができることとする>
要するに、重症患者のPCR検査を優先させ、軽症者の検査はしなくていい、ということだ。
しかし、いくら軽症者で、14日間療養したとしても、ウイルスが残っている恐れもあるのではないか。実際、熊本県では、検査を16回受けたが、いずれも「陽性」だったため、無症状のまま2カ月間も入院したケースがあった。また、福井県の調査では、退院した患者の平均入院日数は「15.7日間」と長く、担当者は「陰性確認まで2週間程度、軽症の人でもなかなか陰性にならないことがデータからうかがえる」と説明している。
新型コロナの怖さは、「無症状」でも感染させてしまうことだ。なのに、「陰性」確認せず、外出OKとは、乱暴なのではないか。山野美容芸術短大客員教授の中原英臣氏(感染症学)はこう言う。
「陰性確認せずに療養解除しているとは驚きです。PCR検査での確認は絶対にやるべきです。インフルエンザのように、データの揃っている感染症は、症状が収まってから何日たてば、他人に感染させないと判断できます。でも、新型コロナは未知のウイルスですよ。厚労省は重症者の検査を優先しているようですが、安倍首相は1日に2万件、検査できると断言しているのだから、軽症者も、十分検査は可能なはずです」
「疑似陰性者」が市中感染を拡大させているとしたら、恐ろしいことだ。