安倍晋三首相は29日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大で学校の休校が長期化していることを受け、新学期を9月に始める案が浮上していることについて「大きな変化がある中において、前広(まえびろ)にさまざまな選択肢を検討していきたい」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表への答弁。
「前広」は「あらかじめ」「前もって」などの意味で、官庁では「時間の余裕を持って検討する」という趣旨で使われることが多い。首相の念頭に「今年9月」があるかどうかは不分明だ。
首相は「社会全体に大きな影響をおよぼすので慎重に、という点もあることは十分に承知しているが」と前置きをしつつ、検討の余地があることを示した。萩生田光一文部科学相も「私としても大きな選択肢の一つだと思っている」と述べた。
この日午前の衆院予算委で新型コロナウイルス対策を盛り込んだ今年度予算案は全会一致で可決された。同案は、同日昼の衆院本会議で可決され、参院に送付される。30日の参院本会議で成立する見通し。【高橋恵子】